概要:アプリを自社の他のアプリ上で宣伝するクロスプロモーションキャンペーン経由のインストールを計測しましょう。
クロスプロモーションについて
クロスプロモーションキャンペーンは、既存のアプリを宣伝したり、自社から新しくリリースされるアプリにユーザーを誘導するための最良の方法です。クロスプロモーション計測は全てのアカウントプランで無料であるだけでなく、これらのキャンペーンは、他の媒体のトラフィックと比較しより高いコンバージョンとリテンション率を期待できます。クロスプロモーションはオウンドメディアで宣伝されるため、デバイスIDマッチングを使用して決定論的に新規インストールを計測できます。
次の画像には、宣伝されたアプリの管理画面で、オウンドメディア(af_cross_promotion)と他のメディアソースで実施されたキャンペーン指標の内訳が表示されています。クロスプロモーションキャンペーンのインストールとコンバージョン率は他のメディアソースの値と比べて高いことが確認されます。
クロスプロモーションはどのように機能しますか?
- ユーザーに自社の既存アプリ上に表示されたクロスプロモーション広告が配信されます。広告では、同じ会社から提供される別のアプリを宣伝しています。広告クリエイティブは、バナーや動画などのクリックできるものを指します。
- [オプション] クロスプロモーションのインプレッションはSDKで記録されAppsFlyerに送信されます。
- ユーザーが広告をクリックします。
- SDKはクリックを記録し、宣伝されているアプリのアプリストアページにユーザーを誘導します。SDKによって記録されたクリックには、すでにデバイスの広告IDが含まれています。
- 広告対象アプリがインストールされて起動されると、AppsFlyer管理画面上でメディアソース「af_cross_promotion」の下に、新しく獲得されたユーザーが表示されます。
- メディアソースの値を変更するには、ディベロッパーがカスタムパラメーターである「
pid
」を希望する値と一緒に追加する必要があります。注記:Androidの場合、これはSDK V6.4.2以降でのみサポートされています。 - インストールをもたらしたアプリ(媒体アプリ)は、このメディアソースのサイトIDに表示されます。
- メディアソースの値を変更するには、ディベロッパーがカスタムパラメーターである「
-
SDKはアプリ内イベントを自動的に生成します。
Androidのイベント名はaf_cross_promotion
で、iOSではaf_cross_promotion_clicked
です。
クロスプロモーションの計測
AppsFlyerでは、クロスプロモーションキャンペーンで発生したインストールを記録・計測する手法として、デバイスIDマッチングを使用します。インプレッションとクリックの両方を計測でき、クリックスルー率またはインストール/インプレッションの比率を計算することができます。
マッチングに使用されるデバイス識別子は、以下の内容によって異なります。
- ユーザーのデバイスとOSバージョン
- 媒体アプリに実装されているAppsFlyer SDKのバージョン
クロスプロモーションのデバイスIDマッチング | デバイス/OSバージョン | SDKバージョン | 備考 |
---|---|---|---|
IDFA | iOS 9 – 14.4 | V5.0.0以降 | |
IDFV | iOS 14.5以降 | V6.0.2以降 | なお、IDFVは自動的に収集されるので、アプリ開発者側での追加作業は不要です。 |
GAID | Google Play Servicesを含むAndroidデバイス | ||
OAID, Android ID, IMEI, Fire ID | Google Play Servicesを含まないAndroidデバイス |
クロスプロモーションの設定
クロスプロモーション計測の設定手順では、マーケターとディベロッパーが協力してAppsFlyer SDKに追加コードを実装する必要があります。
マーケターとディベロッパーの流れは次のとおりです。
Step | 役割 | タスク | 詳細 |
---|---|---|---|
1 |
マーケティング担当者 |
クロスプロモーションキャンペーンを掲載する既存アプリを決定してください。
|
インストールに紐づく媒体アプリはサイトIDとして宣伝対象のアプリの管理画面に表示されます。 |
2 |
マーケティング担当者 |
ルックバック期間や広告セット名、サブパラメーターなどの追加パラメーターを追加すべきかを決定してください。これらの追加パラメーター名と値をディベロッパーに共有してください。 |
|
3 | デベロッパー |
SDKにコードを実装してください。 |
ディベロッパー向けドキュメントはこちらです。 |
4 | マーケティング担当者 | 広告対象アプリの管理画面で、クロスプロモーションキャンペーンからのトラフィックを確認し、それに応じてキャンペーンを最適化してください。 |
|
5 [オプション] | マーケティング担当者 |
カスタムダッシュボードを作成し、クロスプロモーションのトラフィックを比較しアカウントユーザーとデータを共有しましょう。 |
|
クロスプロモーションデータの確認
広告対象アプリの管理画面
広告対象アプリの管理画面では、どの媒体アプリが最良のトラフィックをもたらしたかを知ることができます。
媒体アプリからのトラフィックを比較する方法:
- オーバービューを開きます。
- af_cross_promotion というメディアソースを選択してください(または独自のカスタムメディアソース)。
- サイトID別にグループ化し媒体アプリの一覧を表示してください。
分析
同じ広告対象アプリの広告を配信している複数の既存アプリのインストール数、クリック数、インプレッション数、コンバージョン率などのデータを見ることで、アフィニティ分析を行うことができます。最良のコンバージョン率を持つ媒体アプリ(サイトID)は、広告対象のアプリとの類似性が高く、ユーザーがアプリをインストールする可能性が高くなります。これらの洞察に基づいて、クロスプロモーションキャンペーンを最適化することができます。
例
あなたはPlayIt Gaming International社のゲームアプリのマーケティング担当者です。「ボウリング (com.playit.bowling)」と「ゴルフ (com.playit.golfing)」を含むいくつかの人気アプリを抱えています。最近「ビリヤード」という新しいアプリをリリースしました。既存のアプリ上でビリヤードの広告を実際にクリックするユーザーがどれくらいいるか、クロスプロモーションのテストを行うことにしました。キャンペーンはボウリングアプリで成功しコンバージョン率は7.92%だったので、ゴルフアプリでも広告を出すことにしました。
ダッシュボードを確認すると、「ゴルフ」のコンバージョン率18.22%で、「ボウリング」のコンバージョン率よりもはるかに高く、「ゴルフ」とプロモーション対象のアプリ「ビリヤード」の親和性が高いと判断できます。
これらの洞察に基づいて、キャンペーンを以下のように最適化することができます。
- 「ゴルフ」アプリ上で本格的なクロスプロモーションキャンペーンを展開。
- クリックに加えてインプレッション計測を開始。最初にクリック数のみを計測するようにキャンペーンを設定しているため、広告を見てクリックせずに後からインストールしたユーザーのインストールは、非オーガニックではなくオーガニックのインストールとしてカウントされます。つまり、各媒体アプリのキャンペーンパフォーマンスの全体像がまだ把握できていないということを意味しています。
カスタムダッシュボード
広告対象アプリの管理画面は、どの媒体アプリが最も良いトラフィックをもたらしているかを把握するのに最適です。しかし、複数のアプリの広告を掲載している単一アプリのパフォーマンスを評価するにはどうすればよいでしょうか?このような場合には、カスタムダッシュボードが便利です。
カスタムダッシュボードでは、クロスプロモーショントラフィックを含む複数のアプリの情報を一箇所で確認することができます。さらに、カスタムダッシュボードは、アカウントユーザーとデータをすばやく簡単に共有することができます。
例
あなたはEコマースアプリのマーケティング担当で、「靴」という人気アプリを抱えています。最近「アクセサリー」「ジャケット&コート」「スポーツシューズ」という3つの新規アプリをリリースしました。「靴」アプリでクロスプロモーションキャンペーンを実施し、新しいアプリの中でどのアプリが最も効果的にプロモーションできるかをテストすることにしました。
ユーザーを3つのセグメントに分けます。ユーザーが靴アプリを起動するたびに、「アクセサリー」「ジャケット&コート」「スポーツシューズ」の3つの広告のうち1つが表示されます。
宣伝された3つのアプリの指標をすべて一箇所で確認するために、カスタムダッシュボードを作成します。以下の画像では、「スポーツシューズ」は20.23%のコンバージョン率であり、これは、「靴」と「スポーツシューズ」が他の2つのアプリに比べてはるかに高い親和性があることが分かります。