概要：広告フォーマットの種類は日々洗練され、複雑化していく中で、アトリビューションおよびレポートは依然として、単純な「ビュースルー」と「クリックスルー」のみに焦点が当てられています。拡張エンゲージメントタイプは、広告を見たり操作したりする際のユーザーのエンゲージメント（接触方法）とそこに含まれるユーザーの意図性の全範囲を反映することで、より正確なアトリビューションデータを提供します。
はじめに
この数年で、再生可能な動画広告や、スキップ可能な動画広告、短編動画広告など、新しいタイプのクリエイティブ広告が市場に登場し、ユーザーとの新しい接触方法が提供されています。このような新しいタイプの広告は、従来の静的なバナーやローファイ動画ユニットとは大きく異なり、広告主に幅広い機能とフォーマットを提供します。
しかしながら、広告タイプが洗練され、より複雑になり、よりインタラクティブになった一方で、レポート機能は依然として制限されており、ビュースルーとクリックスルーのアトリビューションのみに焦点が当てられています。エンゲージメントの種類が異なれば、重みや意図のレベル、影響度も異なりますが、現在の測定方法ではこの新しい現実が見落とされています。当然ながら、広告媒体において、意図やエンゲージメントの水準を可能な限り最大限に表現することが望まれていますが、エコシステム全体で統一化が図られていないのが現状です。これにより、広告主は最終的に広告費のパフォーマンスを部分的にしか理解できなくなっています。
AppsFlyerは、主要な広告媒体との協力により、エコシステム全体に信頼性と透明性を提供するためにエンゲージメントの新基準を導入します。拡張エンゲージメントタイプは、一時的な露出から直接的なレスポンスまで、広告を見たり操作したりする際のユーザーのエンゲージメントや意図の完全なスペクトルを反映します。このフレームワークは、AppsFlyerのパートナーエコシステム全体、そしてそれ以外にもこの基準が維持されることを保証します。拡張エンゲージメントタイプを通じて、広告主は広告費のパフォーマンスを高水準かつ豊富に把握することができ、これらのインサイトを活用して予算配分を改善し、ROASを向上させることができます。
拡張エンゲージメントタイプとは
拡張エンゲージメントタイプのフレームワークは、エンゲージビュー （例：スキップ可能な動画の10秒以上の視聴）や、クリックがアプリ起動やアプリストア以外のものにつながったことを示すことで、ユーザージャーニーのニュアンスを可視化します。そうすることで、マーケターはユーザーの行動についてより多くの洞察を得ることができ、その結果、よりスマートな予算配分とROIの向上につながります。
拡張エンゲージメントタイプの一覧は以下表を参照してください：
| engagement_type | 説明 |
|---|---|
| preload | アプリが、端末上で初めてプロバイダーもしくはファクトリーにより初期化されたときにプリロードされたことを指します。または、デバイスが初めて初期化された際に、ウィザードによりユーザーにアプリをダウンロードするように求められた場合。 |
| click_to_download | ユーザーが広告に接触した際に、アプリストアにリダイレクトされることなく、アプリが自動的にダウンロードされ、デバイスにインストールされるケース |
| click_to_app | 広告のクリック、QR コードのスキャン、ディープリンクなど、ユーザーをアプリまたは関連するアプリストアにリダイレクトしてアプリをダウンロードするクリック。 |
| engaged_click | 広告に接触したが、ユーザーを同じコンテキストにとどめ、アプリストアに誘導したり、アプリを起動したりしないクリック。 |
| engaged_view | エンゲージビューとは、スキップ可能な動画、動画リワード、またはStoreKitでレンダリングされた広告内で意味のある視聴があった状態を指します。例：スキップ可能なビデオ広告を、スキップオプションが表示されてから少なくとも5秒間視聴した場合、など |
| view | 広告がレンダリングされ、インプレッションが発火したことを指します。 |
| listening | ユーザーがポッドキャスト広告などの音声広告を聴いたことを指します。 |
アトリビューション優先順位とルックバック期間
拡張エンゲージメントタイプのフレームワークは、エンゲージメントタイプのアトリビューション優先順位には影響しません。したがって、EETを導入してもインストール率やコンバージョン率に影響はありません。
以下の表は、各エンゲージメントタイプのアトリビューション優先順位と、適用されるルックバック期間を示したものです：
| エンゲージメント | エンゲージメントタイプ | アトリビューションの優先度 * | ルックバック期間 ** |
|---|---|---|---|
| ダウンロード | preload | 1 | 1時間 - 180日 | デフォルト：90日 |
| click_to_download | 2 | 1時間 - 30日 | デフォルト：7日 | |
| クリック | click_to_app | 2 | 1時間 - 30日 | デフォルト：7日 |
| engaged_click | 2 | 1時間 - 7日 | デフォルト：2日 | |
| インプレッション | engaged_view | 2 | 1時間 - 7日 | デフォルト：2日 |
| view | 3 | 1-24時間 | デフォルト：24時間 | |
| listening | 3 | 1-24時間 | デフォルト：24時間 |
* エンゲージメントタイプがレポートされていない場合、デフォルトの優先順位が適用されます（クリックはclick_to_app、インプレッションはview）。
**engaged_click 、engaged_view のルックバック期間は、SRN以外の広告媒体でのみ設定可能です。SRNの場合、engaged_click とengaged_view はクリックと同じルックバック期間が適用されるため、インストールのクリックスルー計測のルックバック期間設定スライダーで設定されます。
エンゲージクリックとエンゲージビューに対応する媒体
以下の表に、engaged_clicks および engaged_views をレポートする、AppsFlyerによって認定された広告媒体を示します。 これらの指標をレポートしたい広告媒体は、AppsFlyerサポートに問い合わせてください。
| 広告媒体 | エンゲージビュー | エンゲージクリック |
|---|---|---|
| facebook_int | はい | |
| googleadwords_int | はい | |
| tiktokglobal_int | はい | はい |
| snapchat_int | はい | はい |
| bytedanceglobal_int | はい | はい |
| aarki_int | はい | はい |
| adjoe_int | はい | |
| appier_int | はい | はい |
| appnext_int | はい | |
| inmobidsp_int | はい | はい |
| ironsource_int | はい | |
| lap_int | はい | |
| liftoff_int | はい | はい |
| mintegral_int | はい | はい |
| moloco_int | はい | はい |
| onedigitalturbine_int | はい | |
| smadex_int | はい | はい |
| trademob_int | はい | |
| unityads_int | はい | |
| vungle_int | はい | |
| yahoojapan_int | はい | |
| youappi_int | はい | はい |
注
リストアップされたすべての対象広告媒体が、実際にこれらの指標をサポートしているわけではありません。特定の対象広告媒体が、engaged_clicks とengaged_views を実際にサポートしているかどうかを調べるには、広告媒体からレポートされるエンゲージメントを含むローデータレポートを参照し、engagement_type パラメータに上記の値が入力されているかどうかを確認してください。
エンゲージクリックとエンゲージビューのルックバック期間の設定
エンゲージクリックとエンゲージビューのルックバック期間を設定する：
- AppsFlyer管理画面 左メニュー 連携 > 連携済みパートナーへ移動します。
- 該当の媒体を選択します。
- エンゲージビュースルーとクリックスルーアトリビューションのルックバック期間を設定します。
注
エンゲージクリックおよびエンゲージビューのルックバック期間は、計測リンクタブで設定できるビュースルーおよびクリックスルーのルックバック期間とは対照的に、連携タブで設定されます。
クリックスルーのルックバック期間を設定すると、エンゲージビューとエンゲージクリックのルックバックウィンドウも決定されます。
- 画面右下の連携の保存をクリックします。
EETデータの表示と分析
ローデータレポート
engagement_type は、広告媒体からレポートされるたびに、ローデータレポートでレポートされます。また、アシストデータにも利用できるようになります。
注
ビュースルーアトリビューションがオフの場合でも、エンゲージビューは常にローデータレポートに含まれます。
プリロードやディープリンクなど、クリックが記録されていない場合、AppsFlyerはローデータレポートの新しい項目内に適切な値（ディープリンクの場合はプリロードまたは click_to_app ）を設定します。
以下の場合は、ローデータレポートの新しい項目が空のままになります：
- エンゲージメント（クリック / インプレッション）とエンゲージメントタイプに不一致がある場合。
-
af_engagement_typeが送信されてない、または空の値で送信されない場合。
ローデータレポートでエンゲージメントタイプを表示するには、広告主は関連するローデータ取得時にこれらの項目を選択する必要があります（エンゲージメントタイプとアシストエンゲージメントタイプはデフォルトでは選択されていません）。
管理画面
エンゲージメントタイプのディメンションがダッシュボードに追加されます。
注
ビュースルー計測の設定がオフの場合でも、エンゲージビューは常にダッシュボードに表示されます。
IPMの計算方法
合計インプレッション数は、エンゲージビューと通常のビューの両方を含みます。IPMを計算するには、総インプレッション数からエンゲージビューを差し引く必要があります。理由：エンゲージビューはインプレッションのサブセットであり、二重にカウントするとインプレッション数が膨れ上がります。
よくある質問
オウンドメディアはサポートされていますか？
オウンドメディアは現在サポートされていません。オウンドメディアの計測リンクには、af_engagement_type パラメータを含めることはできません。
拡張エンゲージメントタイプにはどのようなキャンペーンが適していますか？
拡張エンゲージメントタイプは、特定の広告媒体に応じて、UAキャンペーンとリターゲティングキャンペーンの両方に適用できます。広告媒体がリターゲティングキャンペーンをサポートしているかどうかを確認するには、その広告媒体のローデータレポートを参照し、リターゲティングキャンペーンに engagement_type が入力されているかどうか確認してください。
オーバービュー管理画面のクリック数とインプレッション数の合計には、エンゲージクリック数とエンゲージビュー数が含まれていますか？
非SRN（通常連携媒体）の場合、数値はタッチタイプに応じて含められ、カウントされます（つまり、エンゲージクリックはクリックとしてカウントされ、エンゲージビューはインプレッションとしてカウントされます）。SRNについては、現時点では含まれておらず、カウントもされていません。SRNのAPIによるサポートは保留中です。
Metaのgp_referrer 経由のコンバージョンにおいてエンゲージメントタイプが存在しないのはなぜですか？
Metaは、SRN連携で engagement_type=engaged_view のみをレポートします。gp_referrerを含む他のコンバージョンには、engagement_typeの値はありません。
ビュースルー計測をオフに設定しているにも関わらず attributed_touch_type = impression のインストールとリエンゲージメントCVが発生しているのはなぜですか？
エンゲージビューは、ビュースルー計測設定がオフの場合でも計測され、レポートされます。これらのインプレッションをエンゲージビューとして識別するには、attributed_touch_type のみではなく、ダッシュボードやローデータレポートで engagement_type = engaged_views の指標を使用します。