[ベータ版] Predictの概要

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概要:LTVに関する正確な予測インサイトとKPIを即座に取得し、インストール後24時間以内に30日目のキャンペーンの成果を予測します。ユーザー獲得キャンペーンから不確実性を排除し、最適化の意思決定を早期に行うことでユーザー獲得キャンペーンの予算を最大限に活用しましょう。

 注記

Predict は現在クローズドベータ版です。ベータ版への参加を希望し、アカウントで予測分析に必要な十分なデータがある場合は、担当CSMまたは hello@appsflyer.com までご連絡ください(参加枠には限りがございます)。

概要

iOSおよびSKAdNetwork向けのAppsFlyerの高度な予測分析ソリューションであるPredictは、ディープラーニングアルゴリズムを利用して、そのアプリの履歴データに基づいて各アプリの一意の予測モデルを構築します。このモデルは、最短インストール後1日でキャンペーンの成功を pLTVベースで正確に予測します。

本記事では、予測ロジックの仕組みと導き出される結果について説明します。Predict が適切なソリューションであるかどうかを判断し、利用するにあたり次のステップを踏むには、Predictの概要を参照してください。

 注記

Android向けの予測分析ソリューションは、間もなくリリースされる予定です。リリースが近づき次第アップデート致します!

早期予測の利点

従来のキャンペーンLTV測定方法では、通常、新しく取得したユーザーが「良い」ユーザー (高 LTV) か「悪い」ユーザー (低 LTV) かを正確に判断するためには、インストール後約30日分のデータが必要でした。膨大なBIリソースを持つ広告主でさえも、完全ではないユーザーLTVの指標を取得するのにインストール後7-14日を要します。

このタイムラグにより、ユーザー獲得キャンペーンの最初の7-14日間または30日間は、不確実性の高い期間になります。UA運用担当は、将来の最適化の目的で「クリーン」で信頼性の高いデータを得るために、この期間中はキャンペーンを手つかずのままにしておくことが一般的に推奨されており、キャンペーンやコホートのパフォーマンスが低い場合に予算が失われる可能性がありました。

Predictは、ユーザーの初期のエンゲージメントシグナルとアプリのインタラクションを分析して、インストール後1日という早い時期に30日目の正確なユーザーレベルのLTVを予測することで、これらの高い不確実性の期間を排除するように設計されています。これらのユーザーレベルのLTV予測を集計し、コストデータと関連付けることで、Predictは予測されるキャンペーンレベルおよびコホートレベルのKPIを決定し、タイムリーに次のような施策が可能になります。

  • 優れたユーザーを生み出すキャンペーンやコホートに、より予算を費やす
  • 優良ユーザーを獲得していないキャンペーンやターゲットとなるコホートへの広告掲載を停止する
  • 良くも悪くもない中間ユーザーに対してキャンペーンとコホートのターゲット設定を調整する
  • ユーザーの質に不釣り合いな費用がかかるキャンペーンやコホートの入札単価調整を行う

仕組み

Predictのアルゴリズムは、SDKまたはS2S連携を通じて、AppsFlyerが記録したアプリ内イベントデータの分析に基づいています。アプリ内イベントの測定を通じてユーザージャーニーをより厳密に反映するほど、予測はより正確になります。特に重要なのは、インストール後最初の24時間以内のユーザーのアクティビティです。このため、できるだけ多くのアプリ内イベントを設定して、インストール後最初の 24時間に特に重点を置きながら、ユーザージャーニー全体のアクティビティを測定することをお勧めします。アプリ内イベントの設定の詳細については、Predictの概要を参照してください。

個々のアプリごとにAIエンジンを学習させるため、Predictはアプリの履歴データを分析し、30日目のユーザー行動の初期シグナルとユーザーLTVの間の相関関係を検索します。この分析は、単にイベントの発生をカウントするよりもはるかに包括的ですが、イベントを取り巻くすべての要因とLTVへの潜在的な貢献度も考慮に入れています。これらの相関関係の多くは直感的ではなく、高度なデータサイエンスによってのみ予測が可能になります。

 

たとえば、ユーザーがアプリで購入を行ったとします。この購入と pLTV の関係を考慮する際に、Predictは、購入の発生だけでなく、アプリの履歴データ内ではるかに多くのことを考慮します。また、次のような多くの追加要因も分析します。

  • インストールから購入までにどのくらいの時間が経過しているか
  • 購入に至るまでに何回アプリ起動があったか
  • 購入イベントの前にどのようなイベントをユーザーが実行したか
  • その他のアプリ内イベント(例:ゲームのレベル達成、プレミアム機能のプロモーション、割引の提供など)が購入イベントに影響する可能性はあるか

利用可能なアトリビューション方法

Predictは、AppsFlyerアカウントで測定および報告された、新規獲得ユーザー (または「コホート」) のグループについて予測を行います。

iOS 14.5以降が適用された今、AppsFlyerはインストールをアトリビューションするためのさまざまな方法を提供しています。

  • SKAdNetwork (SKAN) アトリビューション
  • AppsFlyer(AFモデル)によるアトリビューション
  • SSOT (Single Source of Truth)モード – SKAN モデルと AF モデルのアトリビューションを結合、調整、重複排除

すべてのiOSトラフィックに総合的なソリューションを提供するために、Predictはこれらの3つのアトリビューション方法をすべてサポートしています。Predict 管理画面のセレクターには、調査したいアトリビューション表示を選択し、2つの表示を簡単に切り替えるオプションがあります。

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キャンペーンとコホートレベルKPIの開発

キャンペーンとコホートレベルのKPIを予測するには、Predictは次のプロセスを使用します。

ユーザーレベルのKPIの予測

インプット

ユーザーレベルのKPIを予測するときにPredictが考慮する可能性のあるインプットの例を以下に示しています。

  • アプリ内購入、サブスクリプション、広告の閲覧、および同様のイベント
  • セッションの数、頻度、および長さ
  • 達成されたゲームレベル、完了したチュートリアル、友人への推薦など

これらは単なる例です。実際のインプットは、AppsFlyerで測定されるように設定したアプリ内イベントによって異なります。

アウトプット

Predictは、これらのインプットを使用して、次のカテゴリのユーザーレベルの KPI(アプトプット)を予測します。

  • 収益: 30日目の時点でユーザーが生み出した予測収益 (ユーザーが 30日目までに収益を生み出すかどうかの予測を含む)
  • リテンション: オンボーディングプロセス中に選択した 3つのリテンション期間の計測日時点でユーザーがアプリを引き続き使用しているかどうかの予測

 注記

Predictのコンテキストでは、リテンション期間は AppsFlyer リテンション管理画面の期間とは多少異なる意味を持ちます。

Predictの場合:

  • {x}日目のリテンションユーザーは、必ずしも{x}日目の当日にアプリを起動すると予測されるわけではありません
  • {x}日目のリテンションユーザーは、{x}日目以降、30日間の予測期間内に少なくとも1回、アプリを起動すると予測されます。


例:

  • 太郎はアプリをインストールし、Day 1(1日目)にのみアプリを起動すると予測されました。
  • 花子はアプリをインストールし、Day 7(7日目)にのみアプリを起動すると予測されています。
ユーザー Day 1に起動したか? Day 7に起動したか?
太郎 はい いいえ
花子

はい

はい

解析: 花子は 1日目にアプリ起動することは予測されていませんが、その後 (7日目に) アプリ起動することが予測されるため、Day 1のリテンションユーザーと見なされます。

キャンペーンとコホートレベルのKPIの集計

キャンペーンとコホートレベルのKPIを算出するためには、Predictは次のことを実行します:

  • ユーザーレベルのKPIの予測値を集計
  • アトリビューションデータで測定されたキャンペーンまたはコホートごとの獲得ユーザー数(インストール数)で割る

コストの連携

最後に、Predictは、アドネットワークから受信したデータに基づいて、ユーザー獲得コストの集計値を接続しますつまりこれは予測値ではありません)。Predict がコストデータを受信すると、予測ROASなどのさらなるインサイトを提供することができます。

Xpendを使用したコスト集計について参照してください。

KPIのレポーティング

Predictダッシュボード

ユーザーレベルの予測データは集計され、獲得したユーザー数 (インストール数) とユーザー獲得コストと組み合わされて、以下のキャンペーンレベルおよびコホートレベルの KPI が提供されます。

基礎となる指標:

  • ユーザー: キャンペーンまたはコホートでの新規ユーザーインストールの合計数(アトリビューションデータで測定される実際の値)
  • p収益:30日目の時点でのキャンペーンまたはコホートの総収益の予測値
    • 注:SKANアトリビューション方法の場合のみ、SKAdNetworkで報告されたコンバージョン値を持たないユーザーに対して調整するために、必要に応じてキャンペーンとコホート別の pRevenue が外挿されます。
  • 総コスト: キャンペーンまたはコホート内のユーザーの合計ユーザー獲得コスト(アドネットワークによって報告された実際の値)

収益:

  • pARPU (Predicted Average Revenue Per User): p収益 ÷ ユーザー
  • pROAS (Predicted Return On Ad Spend): p収益 ÷ 総コスト
  • p-% 有料ユーザー: アプリ内購入を実行する予測ユーザー数 ÷ ユーザー
  • p-% 高額課金 (Whales) ユーザー: 最も収益の高い収益グループにいる予測ユーザー数 ÷ 予測の有料ユーザー数

リテンション:

  • p-% リテンション率 D{x},{y},{z}: アプリ起動するユーザーの予測数 {x}、{y}、およびインストール後 {z} 日÷ユーザー

コスト:

  • eCPI (Effective Cost Per Install):総コスト ÷ ユーザー

これらの指標はすべてPredict管理画面Predictレポートに、メディアソース、キャンペーン、サイト ID、地域別に表示されます。

Predict および SKAdNetwork

Predictは、限られた期間にわたって初期ユーザーエンゲージメントデータを活用して匿名ユーザーにLTV最適化の洞察を提供するように構築されており、AppleのSKAdNetwork (SKAN) の文脈で多くのマーケティング担当者が直面する主な課題を克服するために特に役立ちます。

  • 24-48時間に限定された測定期間
  • 1つのポストバックの制限:インストール + コンバージョン値
  • プライバシー中心の測定とレポーティング

Predictは、SKANの限られたアトリビューション期間中に無制限の数のイベントを考慮し、正確で匿名のLTV予測を構築し、必要な6ビット制限のコンテキスト内でSKANに伝達することができます。

Predict は SKAdNetwork とどのように連携していますか?

  • Predict は、最初の24時間以内にAppsFlyer SDK (または S2S) によって収集されたすべてのイベント測定値を使用して、30日目の予測収益など、匿名のユーザーレベルの予測データを作成します。
    • これらのイベントはすべてアトリビューションデータなしで記録されるため、ATTフレームワークへの準拠とユーザーのプライバシーの維持が保証されます。
  • 6ビットの制限により、Predictは以下のことを実行します:
    • PredictSKは、LTVが予測されたら、各ユーザーを1-5の収益グループのうち1つの割り当てます。
      • 最初のグループの値は 0 で、収益を生み出すことが予測されていないユーザー向けです。
      • 残りの4つのグループはそれぞれ、ビジネスロジックに合わせてカスタマイズされ、オンボーディングプロセス中に決定する収益値の範囲を表します。
    • PredictSKは、各ユーザーを1-4のリテンショングループに割当てます。
      • 最初のバケットの値は 0 で、アプリの使用を継続することが予測されないユーザー向けです。
      • 残りの3つのグループのそれぞれの日数の範囲は、オンボーディングプロセス中に選択した3つの保持期間の測定日によって決まります。
  • これらの予測値はすべて、許可された6ビット以下のビットを利用して、単一のコンバージョン値としてSKANに送信されます。
  • SKANは24時間待機した後、この値をキャンペーンIDとアトリビューションソースと共にアドネットワークに報告します。
  • 最後に、アドネットワークはコンバージョン値を(アトリビューションデータと共に)AppsFlyerに報告し、そこでデコードされ、コストに連携され、Predict管理画面に表示されます。

 6ビットで多くの情報が伝達されます

6ビットは最大64個の値に変換されます。SKANの6ビットのコンバージョン値の制限に準拠するために、Predictは高度な機械学習アルゴリズムを適用して、予測されるユーザーレベルの KPI をエンコードし、単一のコンバージョン値としてSKANに送信します。その後、キャンペーンIDと共にAppsFlyerに返送されると、それらはデコードされます。このプロセスは、全てAppsFlyerによって管理され、広告主様は追加で作業をする必要はありません。

Predict は iOS 14以降のプライバシー要件に準拠していますか?

はい。Predictは、トラッキングにユーザーの同意を必要とするアクティビティを行わず、いかなる識別子も利用しません。

トラッキングとは何ですか?

iOS 14.5以降、広告主はAppleのAppTrackingTransparencyフレームワークを通じてユーザー許可を得たうえで、トラッキングやデバイスの広告識別子にアクセスをする必要があります。

Appleはディベロッパー向けのWebサイトで、この文脈でトラッキングしていると見なされるものの定義と具体例を提供しています。Predictによるデータの収集、処理、およびレポートは、次の表で詳しく説明するように、トラッキングとみなされるものではありません。

トラッキングの定義(AppleのWebサイトより) Predict
自分のAppで収集したユーザーやデバイスに関するデータを、ターゲット広告や広告効果測定を目的として、他社のAppやWebサイト、またはオフラインのプロパティから収集されたユーザーやデバイスに関するデータに紐付ける行為
  • Predictのトレーニングプロセスは、ファーストパーティの非アトリビューションデータのみを使用して、各アプリの独自のLTV予測ロジックを作成します。
  • Predictは、性別、場所、年齢、メールアドレス、電話番号、IDFA、広告配信アプリなどの識別子を使用しません。
  • 同じユーザーによって実行されたイベントを識別する目的で、PredictはAppsFlyerによって生成された次のような内部IDのみを使用します。
    • 個々のアプリに固有である
    • 異なるアプリ間でユーザーを識別するために使用されていない
    • いかなる形でも第三者に送信されない
  • Predict から SKAdNetwork に送信されるユーザー レベルの pLTV スコアは完全に匿名化されています。
ユーザーやデバイスに関するデータをデータブローカーに共有すること Predict はデータブローカーとデータを共有しません。

 

トラッキングの例(AppleのWebサイトより) Predict
他社が所有するAppやWebサイトから収集されたユーザーデータに基づいて、自分のAppの中でターゲット広告を表示すること

Predictはサードパーティのデータを利用しません。

デバイスの位置情報データやEメールのリストをデータブローカーに共有すること Predict はデータブローカーとデータを共有しません。
他のデベロッパのAppで同一ユーザーをリターゲティングしたり、類似するユーザーを探したりする目的で情報を利用するサードパーティの広告ネットワークに、Eメール、広告ID、その他のIDなどのリストを共有すること Predictはメールアドレス、広告ID、またはその他のIDを共有しません
自分のAppで収集したユーザーデータを、他のデベロッパのAppで収集されたユーザーデータと組み合わせてターゲット広告の表示や広告効率測定を行うサードパーティのSDKをAppに組み込むこと(これら以外の目的でそのSDKを使用する場合も含む)。たとえば、アナリティクスのSDKによって自分のAppで収集したデータを、他のデベロッパのAppがターゲット広告を表示するために利用することがこれに該当します。 Predictは、AppsFlyer SDKによって記録されたファーストパーティのアトリビューション前のイベントデータのみを利用します。Predictは第三者のデータを使用したり、第三者が使用するためのデータをレポートしたりすることはありません。