SKAN推定値

概要:AppsFlyerは、SKAdNetworkの基本的なレポートでは提供できないデータを集約してモデル化しています。

概要

SKAdNetwork(SKAN)のレポートは、以下の理由で制限される場合があります:

  • SKANは、6ビットに制限されたコンバージョン値(CV)に依存しており、64の可能な値(0〜63)が取得できます。
  • Appleは、ユーザーのプライバシーを保護するために、実際のコンバージョン値をレポートしない(そしてデータを "null" として返す)ことがあります。
  • データは12〜72時間のアクティビティ期間内からのみ利用でき、完全なライフタイムバリュー(LTV)を把握することはできません。

SKAN推定データは、次の問題を解決します:

  • AppsFlyerは、機械学習、ベイズ統計、AppsFlyerがレポートするデータ、およびSKANデータを使用して、非表示のデータポイントをモデル化します。
  • 広告主様は、アプリとキャンペーンのLTVパフォーマンスに関する全体像を把握できます。

注:コンバージョン値のスキーマを変更した場合、モデル化されたデータが利用可能になるまでに 2日かかります。

推定データタイプと可用性

データタイプ 可用性 備考
Nullコンバージョン値
  • オーバービュー:SSOTビュー
  • SKAN管理画面
  • SKAN集計パフォーマンスレポートAPI *
  • SKANポストバック到着日での集計レポートAPI
 
収益LTV オーバービュー:SSOTビュー 収益LTV推定値は現在、初回起動後7日間に制限されています。
アプリ内イベント オーバービュー:SSOTビュー 収益LTV推定値は現在、初回起動後7日間に制限されています。
オーバービュー:SSOTビュー  

Nullコンバージョン値

Appleはユーザーのプライバシーを守るために実際のコンバージョン値を非公開にしている場合があるため、コンバージョン値がNULL値であることがあります。AppsFlyerでは、NULL CVはインストールとしてカウントされます。注意事項:

  • Null と 0 は意味が違います。
    • ゼロ:ユーザーはアプリをインストールしたが、アクティビティ期間中に計測可能なアクションを何も行わなかった。その結果、この指標は正確であり、モデル化されていません。
    • Null:ユーザーが何をしたのかわからない、AppleがCVを非公開にした場合。
  • Null CVはパフォーマンス指標を歪める可能性があります。歪みを克服し、アプリのパフォーマンスをより正確に測定するために、null コンバージョン値は 0 から 63 の間のコンバージョン値に推定化されます。
    • Null CVの推定には、過去14日間に最低での2日間のデータが必要です。

推定コンバージョン値:

  • コンバージョン値を含む SKANインストールの分布を使用して、null インストールを推定化します。データのモデル化に使用されるアルゴリズムは動的であり、いくつかの変数を考慮に入れます。これがどのように機能するのか、次の例を参照してください:
    • インストール:100件のうち、null CVが 60件、CV=1が 10件、CV=3が 5件、CV=5が 25件だったとします。
    • つまり、コンバージョン値を持つ 40のインストールのうち、25%がCV=1、12.5%がCV=3、62.5%がCV=5 です。
    • 60件の nullインストールは同じモデル化された分布を取得します:15件は CV=1、7件は CV=3、38件は CV=5 を取得します。
  • SKANダッシュボードとAPIの指標にも含まれます。モデル化された推定値を含まないオリジナルの変更されていない指標は、これらの指標と一緒に表示・使用でき、 実数と表示されます。
  • 次の粒度レベルのユーザーデータを使用します:アプリ、メディアソース、キャンペーン、および広告セット(これらの粒度で推定されたデータが使用できない場合は、値 N/A が表示されます。)

コンバージョン値に基づいた利用可能な推定値の指標:

  • 収益
  • イベントの発生回数
  • eCPA
  • ARPU
  • ROI
  • ROAS

収益LTV

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SKANレポートは、Conversion Studioでの収益のSKAN計測期間とCV設定に基づいてのみ収益を提供できます。SKAN推定値は、インストール後最大7日(168時間)の収益をモデル化できます。

メリット:

SKANバージョン3以前では、モデル化されたデータはアクティビティ期間の時間枠を超えています。

SKANバージョン4以降の場合:

  • データ更新頻度:収益LTVは、2回目のSKANポストバックが到着する前に利用可能になります (ポストバックの遅延は24〜144時間の間)。
  • さらに計測:2番目と 3番目のポストバックの '粗い値’ 構成を、イベントやリテンションなどの他の指標に使用しても、モデリングによって収益LTVデータを取得できます。
  • データ拡充:2番目のポストバックを使用して収益を測定する場合、ポストバックからのデータを使用して、モデル化された収益LTVデータを改善し、ポストバックによって提供される 3つのレベル(Low, Medium, High)よりも詳細なレベルで収益データを提供します。

考慮事項

  • 収益LTV指標は、SKAN Conversion Studioで収益が設定されているアプリに対して、アプリ内購入およびアプリ内広告収益から発生した収益が表示されます。
  • 収益LTVには、少なくとも14日間の収益データが必要です。つまり、2022年11月1日に [全体的な収益] を計測するよう設定した場合、モデル化されたデータを利用できる最初のインストール日は 2022年11月14日です。データはその 8日後(2022年11月22日)に利用可能になります。
  • 収益LTV(現在は7日間に制限されています)およびその他の派生する指標は、インストール後 8日目に SSOTダッシュボード(ウィジェット、チャート、表)で次のように確認できます:
    • 収益 D7
    • ARPU D7
    • 売上総利益 D7
    • ROI D7
    • ROAS D7

アプリ内イベント LTV

SKAN計測単体では、インストール後のアプリ内イベントに関するデータは非常に限定的です。SKAN推定値は、アプリ内イベント分析を拡張し、インストール後7日までのアプリ内イベント指標を提供します。

メリット:

SKANバージョン3以前では、モデル化されたデータはアクティビティ期間の時間枠を超えています。

SKANバージョン4以降の場合:

  • データ更新頻度:データ更新頻度: 収益LTVは、2回目のSKANポストバックが到着する前に利用可能になります (ポストバックの遅延は24〜144時間の間)。
  • さらに計測:2番目と3番目のポストバックの '粗い値’ の設定を、イベントやリテンションなどの他の指標に使用いる場合でも、モデリングによって収益LTVデータを取得できます。
  • データ拡充:アプリ内イベントの計測に2つ目のポストバックを利用する場合、ポストバックからのデータはモデリングされたアプリ内イベントメトリクスの精度を向上させるために使用され、SKANの粗い値のポストバックのみによる計測よりも詳細な計測を提供します。

考慮事項

  • 指標は2024年3月7日以降のデータから利用可能です。
  • アプリ内イベント(ディメンション)とその指標は、以下の場合にのみ利用できます:
    • SKAN Conversion Studioで設定したイベントが利用可能な場合
    • ウィンドウ1の期間中に発生したイベントを使用できます。
  • アプリ内イベントのD7(7日目)の指標は最低でも過去14日間のアプリ内イベントのデータが必要です。例えば、SKAN Conversion Studioで2024年1月1日に設定した場合、指標が利用可能になる最初のインストール日は2024年1月14日です。データはその 8日後(2024年1月22日)に確認可能になります。
  • 収益LTV(現在は7日間に制限されています)およびその他の派生する指標は、インストール後 8日目に SSOTダッシュボード(ウィジェット、チャート、テーブル)で次のように確認できます:
    • イベントユニークユーザー D7
    • イベントCV率 D7
    • イベントeCPA D7
    • イベント収益 D7
  • 選択した範囲内のすべての日付が 7日目に達していない場合、イベントユニークユーザー D2カウントが D7カウントより高くなることがあります。広告配信アプリまたは計測モデルの階層は、視覚化の目的でテーブルに追加することができます。なお、D7の指標はオーガニックトラフィックにはまだ利用できません。

SKANポストバックには地域(国)ディメンションは含まれません。したがって、SKANポストバックのみを使用してSKANデータを地域別にグループ化することはできません。ただし、AppsFlyerはSKANのインストール地域(国)をモデル化して、SKANデータの地域ディメンションとグループ化を提供しています。

GEO(国)別推定値:

  • 他のAppsFlyer手法を介してアトリビューションされたキャンペーンインストールの地理的分布を考慮した機械学習ツールを使用します。
  • SSOTダッシュボードで「国」ディメンションで利用可能です。
    注意:地域別と計測ソース別にデータをグループ化すると、AF(AppsFlyer)計測とSKAdNetwork計測のユニーク数を地域別に分けることができます。SKANユニーク数は推定値です。

考慮事項:

  • AppsFlyerのGEO推定値の精度は約90%です。地域(国)をモデル化できない場合、SKANインストールは [なし] の下にグループ化されます。[なし] は、地域(国)が不明であることを意味します。