概要:AppsFlyerのデータは、LTV(顧客生涯価値)またはアクティビティのいずれかです。LTVデータは、特定の期間中に発生したインストールに紐づく現在までの値です。アクティビティデータは、特定の期間中に発生した全てのイベントの値です。
LTV (生涯価値) vs. アクティビティ
ユーザーのイベントデータを分析する方法は2つあります。イベントデータは、アプリ内購入や登録、レベル達成などのインストール後にユーザーによって実行されたアクションに関するデータです。AppsFlyerでは、イベントデータは、ユーザー獲得日またはイベント発生日でグループ化されます。
- ユーザー獲得日でグループ化されたデータは、生涯価値(LTV)と呼ばれます。
- イベント時系列でグループ化されたデータは、アクティビティと呼ばれます。
これらのデータの意味とデータが表示される場所を理解することは重要です。なお、インストール数はLTVでもアクティビティでもありませんのでご注意ください。
アクティビティデータ
- アクティビティデータは、アクティブアプリユーザーによって特定の期間中に実行されたイベントデータを指します。
- アクティビティデータは、時系列でイベントの内訳を示しているため、特定の期間中のメディアソースの全体的なパフォーマンスを計測するのに役立ちます。例えば、アクティビティデータを使用すると、特定の月に全てのアプリユーザーが実行した購入イベントの総数を確認できます。
- アクティビティデータを使用して、今月と前月のユーザー行動を比較できます。
LTVデータ
- LTVデータは、特定の期間中にアプリをコンバージョン/インストールしたユーザーが、現在までに実行したライフタイムのイベントデータを指します。例えば、LTVデータを使用すると、特定の月にインストールしたユーザーの現在までのROIを確認することができます。特定の月以前にアプリをインストールしたユーザーのイベントは、その期間にイベントを実行していたとしても、LTVデータには表示されません。
- LTV(顧客生涯価値)データは、さまざまなメディアソースからのユーザーの質を示すツールです。LTVデータによって、キャンペーンの最適化ができます。
どちらの方法も、異なる目的に合わせて利用することで、有益な分析が可能になります。そのためAppsFlyerではこれら両方のデータを提供しています。
- メディアソースを比較するためには、どのデータを使用できますか?
- AppsFlyerで比較できるページとレポートはどれですか?
- LTVとアクティビティデータをどのように比較できますか?
電車に例えると
次のたとえは、LTV とアクティビティデータの違いを理解するのに役立ちます。
アクティビティ:電車が通過するのを眺めていると想像してください。電車が通過すると、電車が通過するときに乗客が実行するアクションのみを見ることができます。これがアクティビティデータです。
LTV:次にオブザーバーとして電車に乗っていることを想像してください。電車はいくつかの車両に分かれています。
- 出発駅で他の乗客と一緒に車両に乗り込みます。これはインストールを指します。
- 乗車中、あなたは同じ車両にいる全ての乗客が実行したアクションを観察できます。乗客が電車を降りるまで、つまりアンインストールするまで、これらの乗客の行動を観察することができます。
- あなたの前後に乗車した他の車両の乗客のアクションは、確認することができません。これがLTVです。
AppsFlyer管理画面—LTV or アクティビティ?
管理画面を利用することで、マーケターは非オーガニックのトラフィックを最適化できます。マーケターは通常、LTVに基づいてパフォーマンスを測定するため、プラットフォーム上のほとんどの管理画面とレポートは、LTVを基準としています。
それぞれの画面で、LTVとアクティビティのどちらなのかを確認しましょう。
オーバービュー管理画面
- オーバービュー管理画面はLTV(顧客生涯価値)を表示します。
- 利用可能な表示:ユーザー獲得、リターゲティング、全体表示
- 利用可能な指標:ユーザー獲得、リターゲティング、収益、キャンペーンコスト
- グラフ:ユーザー獲得トレンド、インストール、生涯ロイヤルユーザー、生涯収益
テーブル内のこれらの列は、LTV データを使用して計算されます:
- セッション
- ロイヤルユーザー(数と割合)
- 収益
- ROI
- ARPU
- アンインストール(数と割合)
- 全てのアプリ内イベントの列
SKANオーバービュー
SKANオーバービュー管理画面には、iOS SKANのポストバックと、AppsFlyerが分析および集計した、ユーザーの初期アクティビティ期間中の追加のデータポイントによってレポートされたSKANのマーケティングパフォーマンスが表示されます。既定のアクティビティ期間は24時間です。
- SKANオーバービュー管理画面はLTVです。
- データはインストール日とポストバック到着日で絞り込むことができます。
- 利用できる指標:インストール、タッチポイント、収益、広告費、クリックからインストール率
Protect360レポート
Protect360はインストールとアプリ内イベントの両方の管理画面があります。
インストール管理画面 (CPI) のデータは、リアルタイムでブロック済みと計測後に検知された不正インストールに関するLTVベースのインサイトを提供します。フィルタとグループ化のオプションを使用して、不正イベントをさらにドリルダウンできます。
アプリ内イベント (CPA) 管理画面のデータは、リアルタイムでブロック済みと計測後に検知された不正アプリ内イベントに関するアクティビティベースのインサイトを提供します。フィルタとグループ化のオプションを使用して、不正イベントをさらにドリルダウンできます。
アクティビティ管理画面
アクティビティ管理画面のイベントデータは、アクティビティベースのセッションや収益を示しています。つまり、これらは指定された期間にアプリユーザーが実行した時系列に基づくデータです。
アプリ内イベント管理画面
上位イベントのウィジェット、または左側メニューのアプリ内イベントからアクセスできるこのページ内の全てのデータは、LTVイベントデータです。アプリ内イベントページに関する詳細な説明は、こちらをクリックしてください。
リテンションとコホートレポート
リテンションデータで1日分を選択したとしても、選択した日に発生したインストールに紐づく、数日または数週間分のセッションデータが表示され、ユーザーの質を分析するKPIの一つです。これは典型的なLTV(顧客生涯価値)です。リテンションレポートとコホートレポートに関する詳細についてはリンクをクリックしてください。
コホートレポートは、リテンションレポートに似ていますが、セッション以外の指標も確認できます。収益、セッション、アプリ内イベントなどのレポート指標は全てLTVです。
ダウンロードできるレポート
- パフォーマンスレポート:オーバービュー管理画面の集計パフォーマンスレポートの表と同様に、パフォーマンスレポートはLTV値を示しています。
- ローデータレポート:ローデータレポートは、アクティビティデータの主要なレポートです。インストール、アプリ内イベント、ポストバック、アンインストールなどのレポートは、イベント発生日に基づいて定義され順序付けされます。
リターゲティングレポート
リターゲティングでは、パフォーマンスとローデータレポートを含むUAで利用できるレポートと同様のレポートが利用できます。ローデータレポートの場合、以下が利用できます。
- リターゲティングアプリ内イベント
- コンバージョン(リアトリビューション、リエンゲージメント)
不正防止レポート
拒否されたアプリ内イベントレポートは、アクティビティベースのデータを提供します。
カスタムダッシュボードのウィジェット
ピボットテーブルとマスターAPI
AppsFlyerのピボットテーブル機能は、LTV、アクティビティ、リテンションの3つのデータグループにデータを提供するマスターAPIに基づいて作成されます。マスターAPI URLやピボットテーブルを作成する際は、LTV、アクティビティ、またはその両方を使用してどのイベントKPIを含めるか選択します。
データソースの比較
AppsFlyerプラットフォームのさまざまな場所からのデータを比較する場合は、LTVまたはアクティビティのうち同じタイプのレポートを比較してください。次の表は、AppsFlyerのさまざまな管理画面ページとレポートで使用できるイベントデータの種類をまとめたものです。
データソース | データタイプ |
---|---|
オーバービュー管理画面 |
LTV(顧客生涯価値) |
SKANオーバービュー |
LTV(顧客生涯価値) |
Protect360インストール |
LTV(顧客生涯価値) |
Protect360アプリ内イベント |
アクティビティ |
アクティビティ管理画面 |
アクティビティ |
アプリ内イベント管理画面 |
LTV(顧客生涯価値) |
リテンション |
LTV(顧客生涯価値) |
コホート |
LTV(顧客生涯価値) |
パフォーマンスレポート |
LTV(顧客生涯価値) |
ローデータレポート |
アクティビティ |
リターゲティングレポート |
LTV(顧客生涯価値) |
不正防止レポート |
アクティビティ |
マスターAPI—キャンペーンパフォーマンスKPI |
どちらも |
ピボットテーブル |
どちらも |
AppsFlyerデータと外部ソースの比較
GoogleやAppleを含むデータソースの大多数は、LTVデータではないアクティビティデータを表示します。したがって、外部ソースからのデータをAppsFlyerのデータと比較するには、通常、ローデータレポートで取得できるAppsFlyerアクティビティデータを使用します。
Meta広告は一部LTVデータを提供していますが、インストール28日間分のみに制限されています。
AppsFlyerでのLTVデータとアクティビティデータの比較
同じ期間中のLTVとアクティビティデータを見ると、2つの違いがあります。違いは次のとおりです。
- A:アクティビティデータは、指定した期間の以前に発生したインストールからのイベントを含みます。
- B:LTVデータはして指定した期間のあとに発生したイベントを含みます。
2種類のデータを正しく比較するためには、これらの違いを中和する必要があります。これは、アクティビティデータからLTVデータを抽出するか、その逆を行うことで実現できます。
注意
レポート生成時間の違いにより、同様のデータソース間にわずかな違いが引き続き起こる可能性があります。
ローデータアクティビティレポートからLTVデータの抽出
- AppsFlyerのサイドメニューから、 レポート > ローデータエクスポートを選択します。
- 日付期間の最終日を現在の日に設定します(違いBが解決されます)
- アプリ内イベントのローデータレポートをダウンロードしまてください。
- Install Time 列を使用して、期間範囲の最初の日より前に発生したインストールを除外します(違いAが解決されます)。
注意
アクティビティデータは時間が経過しても変化しませんが、LTVデータは既存ユーザーが新しくアプリ内イベントを実行するたびに変化します。今日確認したLTVデータは、同じ期間中のレポートでも明日にはデータが更新されている可能性があります。
LTVデータからアクティビティデータの抽出
LTVベースのオーバービューページをアクティビティベースの外部ソースのデータと比較するためには、2つの違いを克服する必要があります。
これを実行できるのは次の場合のみです。
-
AppsFlyerで指定した日付期間内にインストールを送信し始めたソースを選択します(違い1が解決されます)。
これにより、アクティビティデータに指定期間より前に発生したインストールに紐づき、且つ期間中に実行されたイベントが含まれないようにします。 -
日付期間の最終日を現在の日に設定します(違い2が解決されます)。
これにより、LTVデータに指定期間内に発生したインストールに紐づき、且つ期間の後に実行されたイベントが含まれないようにします。
結論
データソースがAppsFlyerか外部ソースかに関わらず、2つのデータソースを比較する場合は、アクティビティデータ同士、およびLTVデータ同士を比較してください。