概要:コラボレーション計測の基本的な考え方とデータフローについて説明しています。
計測に使用する3つのデータソース
DCPの計測モデルでは、コラボレーションの中で発生したエンゲージメントイベントにコンバージョンイベントを紐づけ、アトリビューションを行います。このプロセスでは、コンバージョン、エンゲージメント、キャンペーンマッピングという3つの主要なデータソースを使用します。それぞれのデータソースが、アトリビューションの過程で重要な役割を担います。
コンバージョン
コンバージョンデータには、購入などのユーザーアクションと、それに関連するSKU(Stock Keeping Unit)やCPG(Consumer Packaged Goods)などの情報が含まれます。各レコードは1件のコンバージョンイベントを表し、SKU、ユーザーID、イベント発生時刻などの情報を保持します。
コンバージョンパラメーターの例
| フィールド | 値 |
|---|---|
app_id |
FoodDelivery |
user_id |
5abe2ddccca43000af58f0b |
event_time |
2024-08-21T16:06:32.393Z |
event_name |
purchase |
sku |
8711327623057 |
sku_revenue |
6.94 |
sku_quantity |
1 |
アプリのコンバージョンデータは、AppsFlyer SDKを使ってアプリと連携する方法、またはコラボレーターが提供するカスタムデータソースを通じてAppsFlyerに取り込めます。Webや実店舗で発生したコンバージョンイベントも、カスタムデータソースを使用して取り込むことができます。
エンゲージメント
エンゲージメントのデータソースには、クリックやインプレッションなど、ユーザーと広告との接点に関する情報が含まれます。各レコードは1件のエンゲージメントイベントを表し、キャンペーンID、メディアソース、タッチタイプ(クリックやインプレッションなど)といった情報を保持します。
エンゲージメントパラメーターの例
| フィールド | 値 |
|---|---|
appsflyer_id |
1727548724223 |
media_source |
|
campaign |
grc_web_ftu_seq |
attributed_touch_time |
2024-09-28T17:05:34 |
attributed_touch_type |
impression |
event_name |
start_game |
オンサイトキャンペーンでエンゲージメントデータを利用するには、AppsFlyer SDKを使用し、event_value パラメーターにアトリビューションデータを含めた新しいアプリ内イベントを設定するか、カスタムソース経由でデータを共有します。
オフサイトキャンペーンでは、エンゲージメントデータを外部プラットフォームから取得し、アプリ内イベントやカスタムソースは使用しません。
キャンペーンマッピング
キャンペーンマッピングのデータソースを使うことで、各コンバージョンのきっかけとなったエンゲージメントを特定できます。キャンペーンマッピングの各レコードでは、SKUまたはCPGとキャンペーンIDを対応付けることで、コンバージョンイベントとエンゲージメントイベントを紐づけます。DCPはこのマッピングを使用して、特定のSKUを含むコンバージョンイベントを、対応するキャンペーンIDを持つエンゲージメントイベントに紐づけます。
キャンペーンマッピングパラメーターの例
| フィールド | 値 |
|---|---|
collaborator_name |
fashion_site |
collaborator_id |
10079 |
campaign_id |
49fd77a2-8b64-4c9d... |
campaign_name |
off_season_25_1 |
conversion_targets |
8711327621978, 8711327622289, 8711327623057 |
キャンペーンマッピングの情報は、カスタムデータソースとしてAppsFlyerに提供されます。
オンサイトキャンペーンとオフサイトキャンペーン
DCPでは、キャンペーンがコラボレーター自身のサイト(オンサイト)で実施されるか、メディアパートナーのプラットフォーム(オフサイト)で実施されるかによって、計測方法が異なります。この違いによって、オーディエンスへのリーチ方法、データの収集方法、アトリビューションの実行方法も変わります。
オフサイトキャンペーン
オフサイトキャンペーンでは、MetaやGoogleなどの外部プラットフォーム上でユーザーとのエンゲージメントが発生し、コンバージョンはコラボレーター自身のサイトやアプリ内で発生します。これらのコンバージョンは、オフサイトでのエンゲージメントにアトリビューションされます。
- 例: ブランドが、CMNでセグメント化された顧客データをもとに、Facebook広告を配信します。ユーザーがFacebook上で広告を見てクリックすると、CMNの商品ページへ遷移します。
- アトリビューション: DCPはコンバージョンイベントを外部プラットフォームと共有し、外部プラットフォーム側でアトリビューションを実行します。その後、DCPが各プラットフォームのレポートAPI経由で集計結果を取得します。
オンサイトキャンペーン
オンサイトキャンペーンでは、ユーザーとのエンゲージメントとコンバージョンの両方が、コラボレーター自身のアプリやWebサイトなどで発生し、コンバージョンはオンサイトでのエンゲージメントにアトリビューションされます。
- 例: ブランドがCommerce Media NetworkのWebサイト上で商品をプロモーションします。オーディエンスには、カテゴリへの関心や購入履歴などの条件でセグメント化された、CMNプラットフォームの過去の購入者が含まれます。ユーザーがキャンペーンバナーを見てクリックすると、同じサイト内の商品詳細ページへ遷移します。
- アトリビューション: DCPは、コラボレーターのWebサイトやアプリから取得したファーストパーティのエンゲージメントデータを使用して、コンバージョンをオンサイトキャンペーンに直接アトリビューションします。
オンサイトとオフサイトを組み合わせたキャンペーン
オンサイトとオフサイトを組み合わせたキャンペーンでは、両方の環境でユーザーとのエンゲージメントが発生します。コンバージョンはコラボレーター自身のサイトやアプリ内で発生し、統合計測と重複排除によって、いずれかのエンゲージメントにアトリビューションされます。
- 例: ブランドがCMNのWebサイト上で商品をプロモーションすると同時に、CMNの顧客を対象としたFacebook広告も配信します。オンサイトキャンペーンとFacebookキャンペーンの両方から発生したエンゲージメントとコンバージョンを取得し、重複を排除したうえで一元的に計測します。
- アトリビューション: DCPはオンサイトとオフサイトの両方のチャネルから得られたコンバージョンデータを共通のアトリビューションテーブルに統合し、重複排除を行ったうえで、キャンペーンおよびSKU単位の統合指標を提供します。
DCPの計測プロセス
DCPの計測プロセスでは、SDKのアプリ内イベントやカスタムソースファイルから取得したコンバージョンレコードを検証・標準化し、オンサイトとオフサイトのキャンペーンにおけるエンゲージメントと照合します。
オンサイト計測フロー
DCPのオンサイト計測フローでは、CMNまたは広告主のモバイルアプリやWebサイトから収集したアプリ内イベントとカスタムソースレコードを処理します。DCPは、AppsFlyerのアトリビューションロジックを使用して、これらのコンバージョンを内部でアトリビューションします。
オンサイト計測では、主に以下2つのデータソースから取得したコンバージョンデータとエンゲージメントデータを処理します。
- アプリ内イベント(IAE):コラボレーターのモバイルアプリに実装されたAppsFlyer SDKを通じて収集されます。
- カスタムソースのイベントファイル:コラボレーターからAppsFlyerへ送信されます。
どちらのイベントも共通の形式に標準化され、同じアトリビューションエンジンで処理されます。
1.計測ソースを設定する
コラボレーターは、DCPのオンライン計測プロセスを以下のように設定します。
- アプリ内イベント:購入やサインアップなど、どのアプリ内イベントをコンバージョンまたはエンゲージメントとして計測するかを指定します。対象イベントはAppsFlyer SDKですでに収集されている必要があり、DCPの設定画面でアプリ名とイベント名を明示的に選択します。
- カスタムソースのイベントファイル:BigQuery、S3、Snowflakeなどの外部データファイルへのアクセスを設定し、user_id、campaign_id、SKUなどの主要フィールドをDCPスキーマにマッピングして、アトリビューションに利用できるようにします。
2.コンバージョンデータを準備・マッピングする
コンバージョンイベントには、キャンペーンによって生じたアクションをDCPが判定するために使用するSKUやユーザー識別子が含まれます。
- DCPは、キャンペーンマッピングのデータソースとコンバージョンイベント内のSKUを照合し、計測対象キャンペーンによって発生したコンバージョンを特定します。
- どのキャンペーンにも一致しないコンバージョンは、オーガニックとして扱われます。
3.コンバージョンをエンゲージメントに紐づける
DCPは、以下の条件を使用して、一致したコンバージョンをエンゲージメントに紐づけます。
- 共通のユーザーID
- 同一のキャンペーンID
これにより、キャンペーンとエンゲージメントのメタデータが付加された、アトリビューション済みのコンバージョンレコードが作成されます。
4.複数SKUを含むコンバージョンを分割する
コンバージョンイベントに複数のSKUが含まれる場合:
- DCPは、そのレコードを複数の単一SKUレコードに分割します。
- 各レコードには、1つのコンバージョン対象に対するアトリビューション結果が含まれます。
5.対象外のSKUを除外する
関連するコンバージョンだけを残すため、以下の処理を行います。
- DCPは、関連するキャンペーンのコンバージョン対象として定義されていないSKUのレコードを除外します。
6.コンバージョンイベントの重複を排除する
アトリビューションを行う前に、DCPは重複データを除外します。
- 同じカスタムソースに重複レコードがある場合(同じファイルが繰り返しアップロードされた場合など)は、重複分を破棄します。
- 一致するアプリ内イベント(IAE)が存在する場合は、カスタムソースのレコードよりもIAEが優先されます。
7.アトリビューションロジックを適用する
DCPは、AppsFlyerのラストタッチアトリビューションモデルを以下のルールで適用します。
- 1件のコンバージョンに複数のエンゲージメントがある場合:AppsFlyerの優先順位に基づいて、ラストタッチを選択します。
- 1件のエンゲージメントに複数のコンバージョンが紐づく場合:そのエンゲージメントには最初のコンバージョンのみがアトリビューションされ、それ以降のコンバージョンは未アトリビューションとして扱われます。
詳しくは、「アトリビューション方法の優先順位(アトリビューションウォーターフォール)」を参照してください。
8.出力:アトリビューション済みコンバージョンデータセット
最終的に、以下のデータが出力されます。
- 各コンバージョンについて、1つのキャンペーンエンゲージメントへのアトリビューション結果
- クレンジングおよび検証済みのSKU単位のコンバージョンレコード
- DCPはアトリビューション済みのコンバージョンを集計し、総コンバージョン数などのインサイトを生成します。
- 分析ダッシュボードやエクスポートに利用できるコンバージョンレコード
オフサイト計測フロー
オフサイトのコンバージョンイベントは、コラボレーターからカスタムソースファイルを通じて提供され、Google Click ID(gclid)やFacebook Click ID(fbclid)など、アトリビューションに必要な識別子を含める必要があります。これらのイベントはGoogleやMetaなどの外部プラットフォームと共有されます。各プラットフォームは自社のキャンペーンレコードとデータを照合し、キャンペーン、広告セット、クリエイティブの識別子などを含む拡張メタデータを返します。
1.コンバージョンデータを準備する
コラボレーションの設定に基づいて、コンバージョンレコードを標準化します。
- コラボレーターは、カスタムフィールドをDCP共通のコンバージョンスキーマにマッピングします。
- Google AdsとMeta Adsではそれぞれ固有のフィールドが必要です。検証ルールによって、処理を進める前に各パートナーの要件を満たしているかを確認します。
2.コンバージョンイベントの重複を排除する
アトリビューションを行う前に、同じカスタムソースに含まれる重複レコード(同じファイルが繰り返しアップロードされた場合など)をDCPが除外します。
3.共有対象のコンバージョンを絞り込む
DCPは、オフサイトのコンバージョンが共有条件を満たしているかを確認します。
- チャネルごとの有効な識別子(GCLID、FBCLIDなど)が含まれていること。
- コンバージョンが、定義済みのキャンペーンアクションまたはSKUと一致していること。
- コンバージョンがルックバック期間内に発生していること。
- Meta:クリックとビュースルーのどちらも1日、7日、または28日。
- Google:プラットフォーム上で設定します。APIからの上書きはサポートされていません。
いずれかの条件を満たさないコンバージョンは、パートナーへの共有対象から除外されます。
4.ラストタッチアトリビューションに基づいて絞り込む
最も新しいタッチポイントに基づいて、アトリビューション先を決定します。
- 有効なGoogleまたはMetaのクリックIDが最新のタッチポイントである場合、そのパートナーにアトリビューションし、該当するパートナーにのみ共有します。
- コンバージョンに両方のクリックIDが含まれている場合は、より新しいものが優先されます。
5.GoogleとMetaに共有する
共有条件を満たしたコンバージョンは、パートナーAPIを通じて安全に共有されます。
- Meta:Conversions API(CAPI)
- Google:Offline Conversion API(OCI)
各コンバージョンは、いずれか1つのパートナーにのみ送信されます。コラボレーターは、送信先アカウント(Meta Dataset IDまたはGoogle Conversion Action ID)を設定する必要があります。
6.GoogleとMetaから返されたデータで情報を補完する
GoogleとMetaは、Insights API経由で以下のようなアトリビューション情報を返します。
- Campaign ID
- Ad Set ID
- Ad ID
- Creative ID
AppsFlyerは、補完されたレコードをもとにアトリビューションを行います。
7.出力:アトリビューション済みコンバージョンデータセット
最終的に、以下のデータが出力されます。
- クレンジングおよび検証済みのSKU単位のコンバージョンレコード
- DCPはアトリビューション済みのコンバージョンを集計し、総コンバージョン数などのインサイトを生成します。
- 分析ダッシュボードやエクスポートに利用できるコンバージョンレコード
オンサイトとオフサイトを組み合わせた計測フロー
このフローでは、AppsFlyerのData Collaboration Platform(DCP)が、以下を含む複数のソースから取得したコンバージョンデータをどのように処理するかを説明します。
- オンサイトコンバージョン:CMNまたは広告主のモバイルアプリやWebサイトから収集したアプリ内イベントとカスタムソースレコードが含まれます。DCPは、AppsFlyerのアトリビューションロジックを使用して、これらのコンバージョンを内部でアトリビューションします。
- オフサイトコンバージョン:カスタムソースから取得したコンバージョンデータを、GoogleやMetaなどの外部プラットフォームと共有します。これらのプラットフォームは、自社のキャンペーンレコードとデータを照合し、キャンペーン、広告セット、クリエイティブの識別子などを含む拡張メタデータを返します。
DCPのオンサイト/オフサイトのアトリビューションフローでは、すべてのコンバージョンデータに対して重複排除、アトリビューション、情報の補完、統合を行い、1つの統合パフォーマンスデータセットを生成します。
1.オンサイトとオフサイトのレコードを処理する
コラボレーションの設定に基づいて、コンバージョンレコードを標準化します。
- オンサイトでは、オンサイトアトリビューションのステップ6までを実行します。
- オフサイトでは、オフサイトアトリビューションのステップ4までを実行します。
2.ラストタッチアトリビューションを適用する
最も新しいタッチポイントに基づいて、アトリビューション先を決定します。
- CMN(オンサイト)イベントが最新のタッチポイントである場合、コンバージョンはCMNにアトリビューションされ、MetaやGoogleには共有されません。
- 有効なGoogleまたはMetaのクリックIDが最新のタッチポイントである場合、そのパートナーにアトリビューションし、該当するパートナーにのみ共有します。
- コンバージョンに両方のクリックIDが含まれている場合は、より新しいものが優先されます。
3.GoogleとMetaに共有する
共有条件を満たしたコンバージョンは、パートナーAPIを通じて安全に共有されます。
- Meta:Conversions API(CAPI)
- Google:Offline Conversion API(OCI)
各コンバージョンは、いずれか1つのパートナーにのみ送信されます。広告主は、送信先アカウント(Meta Dataset IDまたはGoogle Conversion Action ID)を設定する必要があります。
4.オフサイト側から返されたデータで情報を補完する
GoogleとMetaは、Insights API経由で以下のようなアトリビューション情報を返します。
- Campaign ID
- Ad Set ID
- Ad ID
- Creative ID
5.オンサイトとオフサイトのコンバージョンを統合する
DCPは、オフサイトのコンバージョンとオンサイトのコンバージョンを統合し、各コンバージョンについて以下の情報を含む最終データセットを生成します。
- 1つのソースにアトリビューション:Google、Meta、またはCMN
- キャンペーンメタデータを付加
- ダッシュボード、エクスポート、パフォーマンス分析に利用可能
コラボレーション計測の設定ステップ
計測の設定は以下のステップで進めます。各ステップについて、詳しい手順を説明する記事が用意されています。
- 自社に適したコラボレーション計測のユースケースを検討する
- アトリビューションに使用するデータソースを準備する
- DCPからデータソースへアクセスし、アトリビューションを実行できるよう設定する
- アトリビューション済みの計測データをダッシュボードで確認する
- アトリビューション済みの計測データをレポートで確認する