概要:App Clipを使用すると、iOS 14以降のユーザーがアプリへすばやくアクセスし体験することができます。AppsFlyerは、App Clipの計測を可能にし、App Clipを使用できないユーザー(例:Androidユーザー)を必要に応じてリダイレクトします。
App Clipの実装
- App Clipは、iOS 14ユーザー向けに、完全なアプリをダウンロードすることなく、素早く便利にアプリ体験にアクセスできる機能を提供します。
- App Clipは、特定の入手経路(例:QRコードやNFCタグ)からインストールおよび起動されます。注:Safari Smart App BannersとMessages内のリンクはサポートされていません。
- App Clipのクリック、インストール、アプリ内イベント、およびApp Clipから完全なアプリのインストールを計測するには、AppsFlyerのSDKが必要です。
- SDKとは独立して、OneLinkが必要に応じてユーザーをリダイレクトします。
- アプリをインストールしていないユーザー:
- iOS 14以降のユーザーはApp Clipにリダイレクトされます。
- iOS 13以前のユーザー、またはAndroidユーザーは、OneLinkの設定に基づいて(アプリストア等へ)リダイレクトされます。
- アプリをインストール済のユーザーは、OneLinkのUniversal Links またはApp Linksの設定に基づいて、アプリに送信されます。
- アプリをインストールしていないユーザー:
注意事項
- App Clipのサイズ制限は10MBです。AppsFlyerのSDKは1.5MB以下です。
- 広告識別子は利用できません。
- App Clipは、30日間の休眠期間後にOSによって自動的に削除されます。
例
マークはコーヒーショップチェーンのマーケティング担当者です。彼は自分のiOSディベロッパーを登録し、顧客が簡単に行列をスキップし、数秒で注文できるApp Clipを作成します。ユーザーは単にAppleサインインを使用して自分を識別し、コーヒーを注文し、Apple Payを使用して決済を完了します。ディベロッパーはAppsFlyerのSDKを追加し、アプリとApp Clipの両方で正しく動作することを確認します。
マークはOneLinkを作成し、コーヒーショップ内に「並ばず注文!」というキャッチフレーズを添えてQRコードを設置します。
顧客はQRコードをスキャンします。
- iOS 14以降のデバイスを持っているユーザーは、正しいコーヒーショップの店舗と割引クーポンが適用されたApp Clipが開きます。
- 完全なアプリを既にインストール済のユーザーは、コーヒー注文ページでアプリが開きます。
- アプリをもっていないiOS 13以前のユーザー、またはAndroidユーザーは、コーヒーショップのアプリストアのページが開きます。
マークは、AppsFlyerの管理画面とレポートを使用して、App Clipのクリック数とインストール数、および最終的に完全アプリをインストールしたユーザー数を確認します。
指標とレポート
App Clipのアナリティクスとローデータは、次の表に示すユーザーアクティビティに基づいて、プラットフォーム内で利用できます。
ユーザーアクション | AppsFlyerイベント | オーバービュー管理画面と分析ツール | ローデータ |
---|---|---|---|
流入経路(例:QRコード) | イベントなし | イベントなし | イベントなし |
App CardクリックとApp Clip起動 |
クリックとインストールが流入経路に紐づく |
|
app_type=app_clip |
App Clipの使用 |
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|
完全アプリのダウンロードと起動 | アプリ内イベント | アプリ内イベント名= af_app_clip_to_full_app |
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完全アプリの継続的な使用 | [オプション] ディベロッパーがアプリ内イベントを送信 | アプリ内イベント |
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コホート管理画面
コホート管理画面でApp Clipのパフォーマンスを表示します。ここでは次のことができます。
- ユーザーのApp Clipから完全アプリのインストールまでにかかる時間
- アプリ内コンバージョン指標を使用して、さまざまな流入経路のパフォーマンスを比較
App Clipの実装
以下の手順では、App Clipを開発および実装するためにマーケターとiOSディベロッパーが行う必要がある作業について詳しく説明します。
作業範囲
作業担当者
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前提条件
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App Clipの開発
ディベロッパーがアプリのApp Clipを作成する方法については、Apple's App Clip guide for developersをご覧ください。
App Clipの使用方法と完全なアプリケーションとの連携を示す簡易サンプルアプリは、AppsFlyerのApp Clipガイドをご覧ください。
SDKの実装
- AppsFlyerがApp Clipのクリック、インストール、アプリ内イベント、およびApp Clipから完全なアプリのインストールを計測するには、SDKが必要です。
- OneLinkは、SDK実装とは無関係にユーザーをリダイレクトします。
SDKをインストールし、完全アプリのSDKを設定する方法:
iOSディベロッパーに次のリンクを送信し、手順に従うように指示します。
- App ClipへのSDK実装
- App Clipから完全アプリのインストール計測に関する設定
- [オプション] 完全アプリの中でまたアプリ内イベントの測定をしていない場合、またはApp Clipで異なるアプリ内イベントを使用したい場合は、アプリ内イベントを設定します。
OneLink設定
前提条件:
- 完全アプリ向けのユニバーサルリンク設定を持つOneLinkテンプレート。
- OneLinkリンク。
- 推奨:App Clipで使用するテンプレートとリンクの呼び出しは、通常のアプリを持たない全てのユーザーをApp Clipに送信します。そのため、ユーザーをApp ClipではなくApp Storeに誘導したい場合には、別の テンプレートとカスタムリンクを用意することを検討してください。
OneLinkテンプレート向けのApp Clipを設定する方法:
- AppsFlyerの管理画面から、[エンゲージメント&ディープリンク] > [OneLinkカスタムリンク] を開きます。
- ユーザーを完全アプリにリダイレクトするために使用するOneLikテンプレートを選択します。
- OneLinkテンプレートでユニバーサルリンクが設定してあることを確認します。(ユニバーサルリンクを追加するにはこの手順をご覧ください。)
- [保存] をクリックします。
AASAファイルが更新され、App Clipをサポートされます。 - AppsFlyerの管理画面から、[エンゲージメント&ディープリンク] > [OneLinkカスタムリンク] を開きます。
- ステップ1~4で設定したテンプレートに基づいて、ユーザーをApp Clipに誘導するOneLinkカスタムリンクを選択します。
- メディアソース (pid) が指定されていることを確認します。
メディアソースはURLで指定されているか(例:pid=chartboost_int)、リンク内に含まれている必要があります。
App ClipがAppsFlyerのOneLinkで有効になっていることを確認する方法:
- 関連ファイルを取得するURLを作成します。OneLinkテンプレートのドメインを取得してURLが作成され、次が追加されます:
/.well-known/apple-app-site-association
.
例:coffee.onelink.me/.well-known/apple-app-site-association
- 関連ファイルのURLへ移動します。
apple-app-site-association ファイルが自動的にダウンロードされます。 - apple-app-site-association ファイルをテキストエディタ(例:Notepad)で開きます。
- ファイルに 'appclips' という単語が含まれていること、バンドルID が ".Clip" で終わることを確認してください。
例:
そうであれば、AppsFlyer側でApp Clipを正常にセットアップし、同じサブドメインを持つ任意のOneLinkテンプレートにアプリケーションクリップが実装されます。"appclips": { "apps": [ "ABCD1234.id.your.app.Clip", ... ] ... }
App Store Connectの設定
前提条件 : App Clip向けのOneLinkテンプレート設定が完了していること。
OneLinkでApp Clipが起動するように設定する方法:
- App Store Connectのアプリページにて、Build > Domain Status へ進みます。
- OneLinkドメインがBuild domains にて表示され、Cache status と Debug status が両方とも「validated」であることを確認します。
- AppsFlyerの管理画面から、 [エンゲージメント&ディープリンク] > [OneLinkカスタムリンク] を開きます。
- 使用したいリンクのアクションアイコンへマウスオーバーし、URLを取得をクリックします。
- 短縮URL(または長いURLのプレフィックス)を記録します。
- App Store Connectのアプリページで、App Clip > Edit Advanced Experiences > +Add > Next に移動します。
- App Clip Experience URLにて、ステップ5で記録したOneLinkカスタムURLを貼り付けます。
注:メインのカスタムURLの後にクエリパラメータを追加できますが、パスを変更することはできません。 - [次へ] をクリックします。
これで、App ClipがOneLinkで動作するように設定されました。App Store Connectの設定に関する詳細な手順は、Appleディベロッパーガイドをご覧ください。
テスト
前提条件 : iOS 14で、完全版アプリがインストールされていない登録済みのテストデバイス。
OneLink/App Clipの実装をテストする方法:
- AppsFlyerの管理画面から、[エンゲージメント&ディープリンク] > [OneLinkカスタムリンク] を開きます。
- テストしたいリンクのアクションアイコンにカーソルを合わせ、URLを取得をクリックします。
- デバイスでQRコードをスキャンします。
App Clip Cardがデバイスに表示されると、OneLink/App Clipが正しく実装されていることを示しています。
特性と制限
特性と制限
特性/制限 | 説明 |
---|---|
呼び出しメソッド |
|
SKAdNetwork |
SKAdNetwork 機能は利用できません。そのため、App ClipインストールはSKAdNetwork管理画面にはオーガニックとして表示されます。 |
OneLink |
OneLinkカスタムリンクごとに許可されるApp Clipの高度なエクスペリエンスは1つだけです。つまり、App Store ConnectにてOneLinkにパスを追加することはできません。 |
Protect360 |
Protect360はApp Clipをサポートしていません。 |