概要:Data Lockerのコホート分析機能では、広告階層の全ての要素を含んだ集計データが利用可能です。レポートには過去365日間にアトリビューションしたユーザーのデータが含まれます。この機能を利用できるのは、ローデータまたはコホートAPI、またはその両方を利用している広告主です。つまり、このレポート機能はData Locker自体の契約は必要ありません。
Data Lockerでのコホート分析
メディアソースのデータ共有ポリシーや、広告主のプライバシー保護のポリシーによってAppsFlyerのローデータ取得が制限される場合があると思います。そしてその制限には、キャンペーンや広告セットといった計測に関するすべての項目が含まれてしまいますが、コホートレポートはローデータの代替策として利用可能な集計データを提供します。
以下の添付のレポート例を参照してください。
Data Lockerの有効化
この機能を利用できるのは、Data Locker、コホートAPI、またはローデータレポートを利用している広告主です。Data Locker上でこのレポート機能を有効にするには、次のいずれかの手順を実行してください。
既にData Lockerでデータを取得していますか? | 手順 |
---|---|
はい |
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いいえ |
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関連記事:コホートの種類の違い | コホート管理画面 | コホートAPI
データをBIシステムに読み込み、キャンペーンのパフォーマンスや最適化のプロセスの一部として利用することができます。
利用できる指標
利用できる指標は、収益、イベントを実行したユニークユーザー数、イベントの発生数です。
※ROIやROASといったコスト関連の指標を算出するには、収益とコストの両方の指標が必要です。収益指標はコホート経由で、コスト指標は XpendコストETL 経由で取得可能です。
基本仕様
利用できるレポート |
以下のレポートをダウンロードできます。各レポートの詳細については、コホートダッシュボードのページをご確認ください。
|
レポート期間 | 過去365日間にコンバージョンしたユーザーのデータが利用可能です。つまり、毎日過去365日間のユーザーのコンバージョン状況が報告されます。 |
レポート構成 | 各レポートの構成はどれも同じです。詳細はレポート構成を参照してください。 |
レポート配信 | Data Lockerでのコホートレポートの有効化を参照してください。 |
データ更新頻度 |
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パートナーのデータ保持ポリシーの影響 |
一部のパートナーは、データ保持ポリシーを設けていることを考慮してください。該当する場合、保存期間が終了した後に発生したイベントは、便宜上オーガニックに紐づけて計測されます。 例:SRN媒体"A"は180日間のデータ保持ポリシーを設けているとします。このとき、インストール日から180日目までのイベントは媒体"A"に紐づきますが、180日以降に発生したイベントは全てオーガニックに紐づけられます。 |
レポート構成
レポートは、ディメンションとメトリックで構成されます。
項目の形式は次のとおりです。
- ディメンション: 文字列 - 文字列の最大長は動的であり、広告階層の要素をどのように設定するかによって異なります。
-
メトリック: 数値
注意:selected_currency の項目の形式は文字列です。
項目名 |
説明 |
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---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
app_id |
-- | ||||||||||
media_source |
-- | ||||||||||
conversion_type |
入力される値: install、re-engagement、re-attribution |
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attributed_touch_type |
入力される値:click、impressions、pre-install、unknown、tv、null |
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days_post_attribution |
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event_date |
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conversion_date |
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event_name |
イベントを特定するのに使用してください。特有の意味を持つイベント名もあれば、広告主が設定したアプリ内イベントもこちらに入力されます。
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campaign |
キャンペーン階層の情報です。 注意:キャンペーン名の変更はサポートされていません。そのため、1つのキャンペーンIDに対して複数のキャンペーン名が関連付けられることがあります。 |
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campaign_id |
キャンペーン階層の情報です。 | ||||||||||
adset |
キャンペーン階層の情報です。 | ||||||||||
adset_id |
キャンペーン階層の情報です。 | ||||||||||
ad |
キャンペーン階層の情報です。 | ||||||||||
ad_id |
キャンペーン階層の情報です。 | ||||||||||
channel |
キャンペーン階層の情報です。 [2021年10月27日更新] 現在、FacebookはGoogle Install Referrerの機能を介して提供するデータにチャネルの情報を含んでいません。 |
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site_id |
キャンペーン階層の情報です。 | ||||||||||
is_primary_attribution |
リターゲティングデータを特定し重複排除するために使用してください。 | ||||||||||
geo |
ユーザーのIPアドレスから生成したISOの国コードです。 | ||||||||||
agency |
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install_app_store |
Androidアプリのみ:アプリがダウンロードされたAndroidストアの情報です。マルチストアのAndroid計測を広告主が実装している場合に入力され、空欄の場合はGoogle Play Storeを意味します。 |
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keywords |
ユーザーがオンライン検索の際に使用した単語の情報です。 (アドネットワークからレポートされたもの) |
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keyword_id |
[2022年4月27日以降 利用可能] アドネットワークからレポートされたキーワードIDです。 |
カラム名 |
説明 | 形式 |
---|---|---|
unique_users |
そのイベントを実行したユニークユーザー数です。 |
数値 |
revenue_usd |
|
数値 |
event_count |
イベントの発生回数です。 |
数値 |
selected_currency |
広告主がアプリ設定で設定した3文字のISO-4217の通貨コードです。(USD、JPYなど)これは、管理画面上でコホートの収益を表示する際に使用される通貨設定と同じです。 |
文字列 |
revenue_selected_currency |
|
数値 |
データ分析担当者向けの考慮事項
レポート内のデータ範囲について
レポートには、ユーザーアトリビューション、インストール、リアトリビューション、リエンゲージメント、そしてそれらに紐づくアプリ内イベントが含まれています。
データ読み込みプロセスにおいて新規獲得媒体のデータとリターゲティング媒体のデータを統合する場合には、新規獲得 (インストール) とリターゲティング (リエンゲージメント) ) のデータの重複を除外するロジックを実装する必要があります。これを行うには、[conversion_type] と [is_primary_attribution] の項目を使用する必要があります。詳細はリターゲティングイベントの重複計測のページを参照してください。
項目別の考慮事項
- 継続率の指標を簡単に計算するには、days_post_attributionのカラムを活用しましょう。
- キャンペーン名とキャンペーンIDのディメンションを使用したユニークユーザー数の計算:
キャンペーン名の粒度を考慮しなくてもよい場合、キャンペーンID毎のユニークユーザー数を合計することで、指標は算出可能です。 - キャンペーン階層の項目を使用することでデータを集計可能です。
- revenue_usd (USD換算の収益金額) は、イベント発生日の為替レートを使用して計算されます。
- 広告収益イベントは利用可能な場合にはデータに含まれますが、更新されるまでに最大3日間の遅れが生じることがあります。
一般的な考慮事項
すべてのアプリのデータを1つのファイルにまとめて提供します。App IDの項目を使用してアプリ毎にデータを分割するか、Data Locker上でアプリ毎に分割するよう設定してください。
コホートごとのユニークユーザー数の計算
アプリのインストールユーザーなど、コンバージョンの種類別にコホートあたりのユニークユーザー数を計算するには、conversion_type=install
および event_name=af_conversion
となるように、まずはデータをフィルタリングする必要があります。次に、event_countの列の値を合計してください。追加のカラムを追加することで、ディメンションを追加することも可能です。たとえば、日別のインストール数を計算するには、conversion_date
でグループ化してください。
これについては、次のSQLステートメントとExcelの図でも説明しているのでご確認ください。
SQLステートメント
SELECT app_id,
conversion_date,
media_source,
event_name,
conversion_type,
Sum(event_count) AS total
FROM 'REPLACE_TABLE_NAME'
WHERE app_id='REPLACE_APP_ID'
AND conversion_type='install'
AND event_name='af_conversion'
GROUP BY 1, 2, 3, 4, 5
エクセルの例

追加情報
特性と制限
特性 | |
---|---|
コストデータ | 利用できません。代わりにコストETLを使用してください。 |
キャンペーン名の変更 | サポートされていません。 |
データ更新頻度 | UTCベースで毎日更新されます。当日のレポートは、翌日の日本時間19:00 (10:00 UTC) までにレポート日のData Lockerの h=23 フォルダに格納されます。 |
Ad revenue(広告収益) | 利用可能です。 |
通貨設定 | 行ごとに、USDとアプリ個別の通貨設定のデータが確認可能です。 |
オーガニックデータ | 利用可能です。 |
コンバージョン (インストール、リアトリビューション、リエンゲージメント) 後の日数 |
365日後のデータまで利用可能です。
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代理店の運用媒体の開示設定 |
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アプリ毎のデータ分割 | サポートされています。 |
SKAN計測データ | 含まれていません。 |
再インストール | 含まれていません。 |