他社SDKからAppsFlyerへのデバイス移行

概要:他社のアトリビューションベンダーからAppsFlyerへの移行について説明しています。移行期間中の二重請求、重複データ、およびデータの損失を回避するためにも、移行は慎重に準備する必要があります。

他社SDKからAppsFlyerへのデバイス移行

他のベンダーからAppsFlyerへの移行

他のベンダーからAppsFlyerへ移行するには、主に以下の作業が必要です:

これらの作業を同時に行うことができます。ただし、次のことを推奨します:

  • AppsFlyer SDKを搭載したアプリバージョンをリリースする前に、すべての作業を完了させてください。 
  • デバイスID移行を実行する前に、既存のマーケティングキャンペーンを一時停止してください。

AppsFlyerとAdjustの計測比較

他のMMPからAppsFlyerへの移行を検討する場合、広告主は同じメディアソースとキャンペーンで両方のMMPのアトリビューション測定を比較することをお勧めします。ただし、すべてのメディアソースが複数のMMPでの測定をサポートしているわけではありません。そのような場合、アトリビューションの不一致を防ぐために、一定の制限や課題が生じる可能性があります。詳細:複数のMMPによるアトリビューション計測 

タスク

以下の表は、各タスクに必要な作業範囲を示したものです。一般的なタスクの正確な内訳を手順通りに確認し、進捗を記録するには、このスプレッドシートをダウンロードしてください。

作業内容

タスク 必要な対応 作業担当者 作業時間の目安 備考
前提条件
  1. AppsFlyerアカウントを作成
  2. AppsFlyerにアプリを追加
  3. [オプション] 独自のアクティブユーザーの定義に合わせて、デフォルトで90日のリアトリビューション期間の設定を変更
マーケティング担当/AppsFlyer管理画面ユーザー 2時間  
SDK実装
  • AppsFlyer SDKをアプリに実装
  • S2SまたはSDKのアプリ内イベントをマッピング
  • アプリストアでアプリバージョンを更新
アプリ開発者 1‐2週間
  • 推奨:テスト用にテスト / 検証用アプリにAppsFlyer SDKを実装してください。
  • 本番アプリは、その他の作業が完了した後、アプリストアで更新する必要があります。
デバイス移行 [オプション] 既存ユーザーの重複計測を防ぐため、デバイスIDを移行します。 データエンジニア 1‐2週間
  • 移行前に既存のキャンペーンを一時停止し、アプリバージョンが更新されてから再開することをご検討ください。 
  • 全てのユーザーをカバーするために移行最終日にデバイス移行を繰り返すことをご検討ください。 
キャンペーン移行
  • アドネットワークをAppsFlyerで連携してください。
  • 既存キャンペーンを以下から移行します: 
    • SRN
    • SRN以外のアドネットワーク
    • オウンドメディア
マーケティング担当/UA(新規獲得)担当者 1‐3週間
データレポートの設定
  • 現在のレポート構成をAppsFlyerの構成に適応/マッピングします。
  • AppsFlyerレポートを受信する準備をします。
データエンジニア 2‐4週間  

SDK実装

SDK実装

アプリに実装するAppsFlyer SDKは、アプリとAppsFlyerプラットフォーム間の接続の役割を果たします。アプリインストール、アプリ起動、アプリ内イベントなどを計測します。

AppsFlyer SDKを実装する:

  1. AppsFlyer SDKをアプリに実装します。
    AndroidiOSのSDK実装ガイドを参照してください。
  2. AppsFlyerのスキームを使用して、記録したいアプリ内イベントをマッピングしてください。
    これは、SDKまたはS2Sを介して行うことができます。
  3. 競合するアトリビューションベンダーのSDKを削除します。
    すぐに削除してAppsFlyerのみに切り替えるか、数週間両方のSDKで同時に計測することも可能です。以下の表でこれらのオプションの内訳をご覧ください。
     
    任意 更新されたアプリ
    バージョンのリリース後
    影響
    他社SDKを削除(推奨) AppsFlyerのみが新規インストールと更新ユーザーを記録します。
    他社SDKはユーザーがアプリを更新するまで実行したイベントを表示します。
    • 移行が素早く完了します。
    • 重複計測が発生しません。
    移管期間中は他社SDKも保持する AppsFlyerと他社SDK両方で、それぞれ新規インストールとイベントを計測します。後日、他社SDKを削除してください。
    • データ検証が可能:つまり、AppsFlyerと他のベンダーのデータを比較できます。
    • 重複計測が発生します: アドネットワークで二重請求が発生する可能性があります。次の例を参照してください。
    • 作業量がより多いです。
  4. 作業範囲に含まれる他の全てのタスクが完了したあと、AppsFlyer SDKを含むアプリバージョンをアプリストアに更新します。AppsFlyerによる新規ユーザーのアトリビューションが開始します。 
    注:
    • iOS、Google Play、および関連する全てのAndroidの外部ストアのアプリを更新してください。
    • Androidアプリは、認識せずとも非公式のAPKサイトに存在している可能性があります(アプリのパッケージ名をウェブで検索して確認してください)。 APKサイトは最新バージョンに更新するのに時間がかかるため、AppsFlyer SDKが実装されていない古いバージョンのアプリをインストールするオーガニックユーザーを生む可能性があります。
    • ストアでの更新版アプリの公開は、完全に完了するまでに数日かかる場合があります。この段階でインストールするユーザーは、以前のバージョンを引き続き使用できます。

デバイスの移行オプション

デバイス移行について

デバイス移行とは、既存のユーザーデバイスID(IDFA、IDFV、GAID、CUID)のリストをAppsFlyerにアップロードする作業です。この処理は、AppsFlyer SDKを含む新しいアプリのバージョンをリリースする前に行う必要があります。デバイスを移行する際には、流入元情報あり、もしくは流入元情報なしの2つの方法があります。

デバイスの移行により、アプリを既にダウンロード済みで、以前のベンダーによって計測されている既存ユーザーに関連するデータの問題が解決します。例えば、SRNの二重課金は、以前のベンダーでSRNに成果が計測されていたユーザーが、まだルックバック期間内にいるにもかかわらず、AppsFlyerで再びSRNに請求された場合に発生します。

  • 6月15日に、新規ユーザーがMeta広告をクリックしてアプリをインストールします。
  • 6月24日に、ユーザーがAppsFlyer SDKが実装されたバージョンにアップデートし、アプリを起動しました。このとき、AppsFlyerにとってこのユーザーは新規ユーザーであり、リアルタイムに計測を行なう必要があります。
  • AppsFlyerは、ユーザーの広告IDを使用してMetaにクエリを実行します。このユーザーはまだMetaの28日間のルックバック期間内にあるため、Facebookにこのユーザーの成果が紐付けられます。その結果、同一ユーザーに対して成果が二重計上されることになります。

デバイスを移行すると、データは以下のようにAppsFlyerに反映されます:

  • インストールデータ:再インストールと同様に、移行されたデバイスには、インストールデータが存在しません。移行されたデバイスのインストールデータは、AppsFlyerに表示されません。
  • アプリ内イベントとセッションデータ:流入経路を含まないデバイス移行の場合は、オーガニックに紐づくデータとして記録・表示されます。また、流入経路を含むデバイス移行の場合は、メディアソースとキャンペーンに紐づくデータとして記録されます。 
  • リターゲティング:リアトリビューションとリエンゲージメントは通常通り計測されます。
  • アクティビティデータ:正常に表示されます。
  • リテンションとコホートレポート:デバイス移行したデバイスにはインストール記録が存在しません。そのため、これらのユーザーはどのコホートにも属さないため、リテンションおよびコホートレポートには、データを表示できません。 

移行日から180日以内にアプリを起動しなかった場合、移行されたデバイスデータはすべて削除されます。その結果、180日の期間後にアプリを開くと、新規インストールが記録されます。

デバイス移行の方法

デバイス移管を行うには: 

  1. 移行するユーザーグループを決定します。すべての既存ユーザー(AppsFlyerから正確なリアトリビューションデータを取得できなくなる可能性があります)、または最近アプリをインストールしたばかりのユーザー(やや古いユーザーの二重課金につながる可能性があります)を移行できます。
    AppsFlyerでは、予め設定されたリアトリビューション期間内にアクティブなユーザーのデータを移管することをお勧めしています。例えば、該当アプリにおいてリアトリビューション期間が90日で設定されている場合、過去90日間に少なくとも1回はセッション(起動)を行ったユーザーのデータを移行することをお勧めします。
  2. [オプション] マーケティング担当者/UA担当者に、デバイス移行が完了するまで、既存のマーケティングキャンペーン(SRN、非SRNアドネットワーク、オウンドメディアなど)を一時停止するように指示してください。
    キャンペーンを一時停止しない場合、AppsFlyer SDKを搭載したアプリバージョンがアプリストアにリリースされ次第、残りのデバイスIDを他のベンダーから移行してください。 
  3. 流入経路を含む、または流入経路を含まない移行方法のいずれかを使用して、移行するユーザーグループに関するCSVファイルを準備してください。サンプルCSVはこちら
  4. CSVファイルを担当のAppsFlyerの担当CSMに送信します。
    担当CSMがデバイスIDの移行処理を実行します。 

流入経路を含むデバイス移管

この方法でAppsFlyerに移行したデバイスは、アプリ内イベント、セッションが記録され、以前の計測ベンダーが計測したメディアソース、およびアドネットワークのデータ保持ポリシーに従って表示されます。

流入経路を含む移行のCSVファイルの構成


名称
説明 必須
app_id
 
AppsFlyerの管理画面上に表示されるアプリID はい
  • Android: com.great.app1  
  • iOS:id123456789
platform
 
デバイスプラットフォーム:iOSまたはAndroid はい
  • ios
  • android
device_id
 
  • Android: gaid または android_id
  • iOS: IDFV (可能な場合は推奨) または IDFA
  • デバイスIDとアプリIDの同じ組み合わせを複数行に重複しないでください。重複している場合は、ファイル内で最後に記録したものが使用されます。
はい
  • gaid(小文字):9c9a82fb-d5de-4cd1-90c3-527441c11828
  • android_id (小文字): f35aea8908254891
  • IDFC(大文字):A7328D98-A973-402A-8B87-D22A8611F2AF
  • IDFA(大文字):9876F1SS-2983-3855-27RR-2R626772VFNB
id_type
 
  • Android:advertiserId (amazon_aidにも対応) , android_id
  • iOS:idfa or idfv
  • 現在、第三者ストアで使用されている他の識別子(OAID, IMEI, Android ID)はサポートしていません。  
    Google Play以外のAndroidユーザーには、流入元情報を含まないデバイス移行を使用してください。
はい
  • advertiserId
  • android_id
  • idfa
  • idfv
install_time
 
元のアプリインストール時間ISO 8601UTC形式:
yyyy-mm-ddTHH:MM:SS.SSS
いいえ 2018-01-22T08:45:33.412
media_source
 
  • 以下いずれか:
    • PID (AppsFlyerのパートナーID)
    • カスタムメディアソース(パートナーIDはありません)
  • AppsFlyerで必要なパートナーIDを取得する方法:
  • 形式:値は大文字小文字を区別します。
はい


非オーガニック:facebook_int, googleadwords_int

オーガニック:organic

連携済みパートナー
 
  • メディアソースが連携済みパートナーであるかどうかを示してください。例:organicやカスタムメディアソース
     
  • 形式:値は大文字小文字を区別します。
はい
  • yes
  • no (media_source がカスタムの場合)
campaign
 

より粒度の細かい計測情報のために、元々のキャンペーン名があれば入力してください。

形式:文字列

いいえ  
campaign_id
 

 より粒度の細かい計測情報のために、元々のキャンペーンIDがあれば入力してください。

形式:文字列(半角スペース不可)

いいえ  

CSVファイルのルール:

  • このCSVファイルには複数アプリのユーザーデバイスデータを含めることができます(複数アプリでまとめて移行する際)。
  • デバイスIDとアプリIDの同じ組み合わせを複数行に重複しないでください。重複している場合は、ファイル内で最後に記録したものが使用されます。
  • すべての列ヘッダー (app_id, platform, device_id, id_type, install_time, media_source、integrated_partner, campaign, campaign_id) を含める必要があります。注:この項目の順序は重要であり、維持する必要があります。
  • 同じデバイスにIDFVとIDFAの両方を追加することができますが、それらは別々の行にする必要があります。別々の行の項目は、device_idを除いてすべて同じでなければなりません。
  • 各行には、カンマで区切られた9つの項目を含めてください。
  • 必要ない項目の値は空 (blank) にしてください。
  • 1ファイルにつき、最大500万行まで入力可能です。
  • 複数ファイルになる場合には、ファイル毎に一意の名前をつけてください。
  • UTF-8を使って、データをエンコードしてください。
  • [任意] ZIPもしくはGZIPを使って、ファイルを圧縮してください。
     

サンプルCSVはこちら

流入経路を含まないデバイス移管

この方法でAppsFlyerに移行されたデバイスは、オーガニックユーザーとして記録されます(ただし、オーガニックユーザーとして表示はされません)。アプリ内イベントとセッションデータも記録され、オーガニック経由として表示されます。

流入経路を含まないデバイス移管のCSVファイルの構成

任意 いつ使うか
1 App ID + IDFA/GAID/IDFV
  • すべてのAndroidユーザーがGAID識別子を持っている場合
  • iOSのみのユーザー 
device_migration_file_option_1.png
2 App ID + Device ID + Device ID type
  • Androidユーザーの一部がIMEIまたはAndroid IDのみを持ち、GAIDを持たない場合(第三者ストア以外では、Androidバージョンは4.4.2以下)
  • Android IDは16進数形式である必要があります。
注:
  • ID type列には、advertiserId (amazon_aidも対応), idfa, idfv, android_id, imei という正確な文字列を使用します。
  • android_id または imeiを使用していて、後日 AppsFlyer がより良い識別子を受取った場合、新しい計測結果が記録されることがあります。
device_migration_file_option_2.png

CSVファイルのルール:

  • このCSVファイルには複数アプリのユーザーデバイスデータを含めることができます(複数アプリでまとめて移行する際)。
  • その場合には、ファイル内の各行にアプリ毎に1つの広告IDを入力する形になります。
  • 選択したファイル構造オプションに応じて、ファイルのカラムは以下の通りでなければならない(リストされた順序である必要があります):
    • オプション1: app_id,device_id 
    • オプション2: app_id,device_id,id_type  
  • App_IDは小文字で入力してください。
  • Androidの各種IDもすべて小文字で入力してください。
  • IDFA/IDFVはすべて大文字で入力してください。
  • 1ファイルにつき、2,500万行まで入力可能です。

サンプルCSVはこちら

キャンペーン移行

既存のマーケティングキャンペーンをAppsFlyerに切り替えることで、AppsFlyerでの計測を有効にし、重複請求や計測データの損失を回避できます。

注:一度に移行するマーケティングキャンペーンを限定して、少しずつ移行することも可能です。この場合、メディアソース(アドネットワーク、代理店など)、国、キャンペーン別に移行したいものをセグメント化できます。 

SRN

SRNは、特定のデバイスのエンゲージメントについて照会されると、モバイル測定パートナー(MMP)に応答します。2つのMMP、たとえばAppsFlyerと競合するアトリビューションベンダーが同じデバイスのインストールについて同じSRNにクエリを実行すると、重複して料金が発生する可能性があります。

SRNキャンペーンを移行する方法:

  • AppsFlyer管理画面で、関連するSRNとの連携を有効に設定します。

  • SRNでは、複数のMMPを同時に実行できます(Meta adsとTwitterを除く)。
  • Meta Adsはアプリ内イベントの重複排除ができません。

SRN以外のアドネットワーク

アドネットワークの計測リンクは、ユーザーの広告接触を記録しており、広告とのエンゲージメントが結果的にインストールに至った場合の計測に使用されます。

非SRNアドネットワークキャンペーンを移行する方法:

  1. AppsFlyerにて、関連するアドネットワークとの連携設定を有効にします。
  2. 各アドネットワークのAppsFlyer計測リンクを生成します。
  3. 各キャンペーンの既存リンクをAppsFlyerの計測リンクに切り替えます。 

オウンドメディア

オウンドメディアとは、以下の媒体で使用される計測リンクを指します:

  • コンテンツのシェア
  • Web-to-app
  • Email
  • SMS
  • ソーシャルメディアの投稿
  • ブログ
  • インターネットコミュニティ(Quoraなど)
  • など、その他多数…

これらのキャンペーンでは、AppsFlyerはOneLinkカスタムリンクを使用します。OneLinkカスタムリンクは、ユーザーが使用するデバイスに基づいて、正しいアプリストア、インストール済みアプリ、またはWebページURL/ランディングページのいずれかにユーザーをリダイレクトします。

Adjustの計測リンクをAppsFlyer OneLinkリンクに変更するには:

  • CSMにご連絡いただければ、現在お使いのチャネルやツールに応じて、オウンドメディアリンクをOneLinkリンクに変換するお手伝いをいたします。

SKAN

SKAdNetwork(SKAN)アトリビューションでは、1つのSDKのみがコンバージョン値を更新することができます。そうでないと、SKANのデータは意味をなさなくなってしまいます。そのため、移行後はAppsFlyer SDKのみがSKANコンバージョン値を更新するようにしてください。

詳細:AppsFlyerでのSKANコンバージョン値の設定

データレポートの設定

レポート構造の適用とマッピング

移行前は、現在のベンダーのレポート構造、項目、パラメーターなどに従って計測データがシステムに保存されています。AppsFlyerが正しくデータをレポートするためには、現在のレポート構造をAppsFlyerのレポート構造、項目、パラメーターに適応、マッピングする必要があります。

レポート構造を適応/マッピングする方法:

  • Adjust、Branch/Tune、KochavaからAppsFlyerのレポート構造に、素早く適用/移行するためのサポートについて、担当のカスタマーサクセスマネジャーへお問い合わせください。

レポート方法の準備

ローデータ集計レポートは、さまざまな方法でAppsFlyerから取得できます。それぞれの方法を理解し最適な方法を選択してください。

次のようなレポーティング方法があります:

  • ダッシュボード
  • データ出力(マニュアルでのダウンロード)
  • Push API
  • Pull API
  • Data Locker