概要:他社のアトリビューションベンダーからAppsFlyerへの移行について説明しています。移行期間中の二重請求、重複データ、およびデータの損失を回避するためにも、移行は慎重に準備する必要があります。
他のベンダーからAppsFlyerへの移行
他のベンダーからAppsFlyerへ移行するには、主に以下の作業が必要です:
これらの作業を同時に行うことができます。ただし、次のことを推奨します:
- AppsFlyer SDKを搭載したアプリバージョンをリリースする前に、すべての作業を完了させてください。
- デバイスID移行を実行する前に、既存のマーケティングキャンペーンを一時停止してください。
AppsFlyerとAdjustの計測比較
他のMMPからAppsFlyerへの移行を検討する場合、広告主は同じメディアソースとキャンペーンで両方のMMPのアトリビューション測定を比較することをお勧めします。ただし、すべてのメディアソースが複数のMMPでの測定をサポートしているわけではありません。そのような場合、アトリビューションの不一致を防ぐために、一定の制限や課題が生じる可能性があります。詳細:複数のMMPによるアトリビューション計測
タスク
以下の表は、各タスクに必要な作業範囲を示したものです。一般的なタスクの正確な内訳を手順通りに確認し、進捗を記録するには、このスプレッドシートをダウンロードしてください。
作業内容
タスク | 必要な対応 | 作業担当者 | 作業時間の目安 | 備考 |
---|---|---|---|---|
前提条件 |
|
マーケティング担当/AppsFlyer管理画面ユーザー | 2時間 | |
SDK実装 |
|
アプリ開発者 | 1‐2週間 |
|
デバイス移行 [オプション] | 既存ユーザーの重複計測を防ぐため、デバイスIDを移行します。 | データエンジニア | 1‐2週間 |
|
キャンペーン移行 |
|
マーケティング担当/UA(新規獲得)担当者 | 1‐3週間 | |
データレポートの設定 |
|
データエンジニア | 2‐4週間 |
SDK実装
SDK実装
アプリに実装するAppsFlyer SDKは、アプリとAppsFlyerプラットフォーム間の接続の役割を果たします。アプリインストール、アプリ起動、アプリ内イベントなどを計測します。
AppsFlyer SDKを実装する:
- AppsFlyer SDKをアプリに実装します。
AndroidとiOSのSDK実装ガイドを参照してください。 - AppsFlyerのスキームを使用して、記録したいアプリ内イベントをマッピングしてください。
これは、SDKまたはS2Sを介して行うことができます。 - 競合するアトリビューションベンダーのSDKを削除します。
すぐに削除してAppsFlyerのみに切り替えるか、数週間両方のSDKで同時に計測することも可能です。以下の表でこれらのオプションの内訳をご覧ください。
任意 更新されたアプリ
バージョンのリリース後影響 他社SDKを削除(推奨) AppsFlyerのみが新規インストールと更新ユーザーを記録します。
他社SDKはユーザーがアプリを更新するまで実行したイベントを表示します。- 移行が素早く完了します。
- 重複計測が発生しません。
移管期間中は他社SDKも保持する AppsFlyerと他社SDK両方で、それぞれ新規インストールとイベントを計測します。後日、他社SDKを削除してください。 - データ検証が可能:つまり、AppsFlyerと他のベンダーのデータを比較できます。
- 重複計測が発生します: アドネットワークで二重請求が発生する可能性があります。次の例を参照してください。
- 作業量がより多いです。
- 作業範囲に含まれる他の全てのタスクが完了したあと、AppsFlyer SDKを含むアプリバージョンをアプリストアに更新します。AppsFlyerによる新規ユーザーのアトリビューションが開始します。
注:- iOS、Google Play、および関連する全てのAndroidの外部ストアのアプリを更新してください。
- Androidアプリは、認識せずとも非公式のAPKサイトに存在している可能性があります(アプリのパッケージ名をウェブで検索して確認してください)。 APKサイトは最新バージョンに更新するのに時間がかかるため、AppsFlyer SDKが実装されていない古いバージョンのアプリをインストールするオーガニックユーザーを生む可能性があります。
- ストアでの更新版アプリの公開は、完全に完了するまでに数日かかる場合があります。この段階でインストールするユーザーは、以前のバージョンを引き続き使用できます。
デバイスの移行—オプション
デバイス移行について
デバイス移行とは、既存のユーザーデバイスID(IDFA、IDFV、GAID、CUID)のリストをAppsFlyerにアップロードする作業です。この処理は、AppsFlyer SDKを含む新しいアプリのバージョンをリリースする前に行う必要があります。デバイスを移行する際には、流入元情報あり、もしくは流入元情報なしの2つの方法があります。
デバイスの移行により、アプリを既にダウンロード済みで、以前のベンダーによって計測されている既存ユーザーに関連するデータの問題が解決します。例えば、SRNの二重課金は、以前のベンダーでSRNに成果が計測されていたユーザーが、まだルックバック期間内にいるにもかかわらず、AppsFlyerで再びSRNに請求された場合に発生します。
例
- 6月15日に、新規ユーザーがMeta広告をクリックしてアプリをインストールします。
- 6月24日に、ユーザーがAppsFlyer SDKが実装されたバージョンにアップデートし、アプリを起動しました。このとき、AppsFlyerにとってこのユーザーは新規ユーザーであり、リアルタイムに計測を行なう必要があります。
- AppsFlyerは、ユーザーの広告IDを使用してMetaにクエリを実行します。このユーザーはまだMetaの28日間のルックバック期間内にあるため、Facebookにこのユーザーの成果が紐付けられます。その結果、同一ユーザーに対して成果が二重計上されることになります。
デバイスを移行すると、データは以下のようにAppsFlyerに反映されます:
- インストールデータ:再インストールと同様に、移行されたデバイスには、インストールデータが存在しません。移行されたデバイスのインストールデータは、AppsFlyerに表示されません。
- アプリ内イベントとセッションデータ:流入経路を含まないデバイス移行の場合は、オーガニックに紐づくデータとして記録・表示されます。また、流入経路を含むデバイス移行の場合は、メディアソースとキャンペーンに紐づくデータとして記録されます。
- リターゲティング:リアトリビューションとリエンゲージメントは通常通り計測されます。
- アクティビティデータ:正常に表示されます。
- リテンションとコホートレポート:デバイス移行したデバイスにはインストール記録が存在しません。そのため、これらのユーザーはどのコホートにも属さないため、リテンションおよびコホートレポートには、データを表示できません。
注
移行日から180日以内にアプリを起動しなかった場合、移行されたデバイスデータはすべて削除されます。その結果、180日の期間後にアプリを開くと、新規インストールが記録されます。
デバイス移行の方法
デバイス移管を行うには:
- 移行するユーザーグループを決定します。すべての既存ユーザー(AppsFlyerから正確なリアトリビューションデータを取得できなくなる可能性があります)、または最近アプリをインストールしたばかりのユーザー(やや古いユーザーの二重課金につながる可能性があります)を移行できます。
AppsFlyerでは、予め設定されたリアトリビューション期間内にアクティブなユーザーのデータを移管することをお勧めしています。例えば、該当アプリにおいてリアトリビューション期間が90日で設定されている場合、過去90日間に少なくとも1回はセッション(起動)を行ったユーザーのデータを移行することをお勧めします。 - [オプション] マーケティング担当者/UA担当者に、デバイス移行が完了するまで、既存のマーケティングキャンペーン(SRN、非SRNアドネットワーク、オウンドメディアなど)を一時停止するように指示してください。
キャンペーンを一時停止しない場合、AppsFlyer SDKを搭載したアプリバージョンがアプリストアにリリースされ次第、残りのデバイスIDを他のベンダーから移行してください。 - 流入経路を含む、または流入経路を含まない移行方法のいずれかを使用して、移行するユーザーグループに関するCSVファイルを準備してください。サンプルCSVはこちら
- CSVファイルを担当のAppsFlyerの担当CSMに送信します。
担当CSMがデバイスIDの移行処理を実行します。
流入経路を含むデバイス移管
この方法でAppsFlyerに移行したデバイスは、アプリ内イベント、セッションが記録され、以前の計測ベンダーが計測したメディアソース、およびアドネットワークのデータ保持ポリシーに従って表示されます。
流入経路を含む移行のCSVファイルの構成
列 名称 |
説明 | 必須 | 例 |
---|---|---|---|
app_id |
AppsFlyerの管理画面上に表示されるアプリID | はい |
|
platform |
デバイスプラットフォーム:iOSまたはAndroid | はい |
|
device_id |
|
はい |
|
id_type |
|
はい |
|
install_time |
元のアプリインストール時間(ISO 8601)UTC形式: yyyy-mm-ddTHH:MM:SS.SSS |
いいえ | 2018-01-22T08:45:33.412 |
media_source |
|
はい |
オーガニック:organic |
連携済みパートナー |
|
はい |
|
campaign |
より粒度の細かい計測情報のために、元々のキャンペーン名があれば入力してください。 形式:文字列 |
いいえ | |
campaign_id |
より粒度の細かい計測情報のために、元々のキャンペーンIDがあれば入力してください。 形式:文字列(半角スペース不可) |
いいえ |
CSVファイルのルール:
- このCSVファイルには複数アプリのユーザーデバイスデータを含めることができます(複数アプリでまとめて移行する際)。
- デバイスIDとアプリIDの同じ組み合わせを複数行に重複しないでください。重複している場合は、ファイル内で最後に記録したものが使用されます。
- すべての列ヘッダー (app_id, platform, device_id, id_type, install_time, media_source、integrated_partner, campaign, campaign_id) を含める必要があります。注:この項目の順序は重要であり、維持する必要があります。
- 同じデバイスにIDFVとIDFAの両方を追加することができますが、それらは別々の行にする必要があります。別々の行の項目は、device_idを除いてすべて同じでなければなりません。
- 各行には、カンマで区切られた9つの項目を含めてください。
- 必要ない項目の値は空 (blank) にしてください。
- 1ファイルにつき、最大500万行まで入力可能です。
- 複数ファイルになる場合には、ファイル毎に一意の名前をつけてください。
- UTF-8を使って、データをエンコードしてください。
- [任意] ZIPもしくはGZIPを使って、ファイルを圧縮してください。
流入経路を含まないデバイス移管
この方法でAppsFlyerに移行されたデバイスは、オーガニックユーザーとして記録されます(ただし、オーガニックユーザーとして表示はされません)。アプリ内イベントとセッションデータも記録され、オーガニック経由として表示されます。
流入経路を含まないデバイス移管のCSVファイルの構成
CSVファイルのルール:
- このCSVファイルには複数アプリのユーザーデバイスデータを含めることができます(複数アプリでまとめて移行する際)。
- その場合には、ファイル内の各行にアプリ毎に1つの広告IDを入力する形になります。
- 選択したファイル構造オプションに応じて、ファイルのカラムは以下の通りでなければならない(リストされた順序である必要があります):
- オプション1: app_id,device_id
- オプション2: app_id,device_id,id_type
- App_IDは小文字で入力してください。
- Androidの各種IDもすべて小文字で入力してください。
- IDFA/IDFVはすべて大文字で入力してください。
- 1ファイルにつき、2,500万行まで入力可能です。
キャンペーン移行
既存のマーケティングキャンペーンをAppsFlyerに切り替えることで、AppsFlyerでの計測を有効にし、重複請求や計測データの損失を回避できます。
注:一度に移行するマーケティングキャンペーンを限定して、少しずつ移行することも可能です。この場合、メディアソース(アドネットワーク、代理店など)、国、キャンペーン別に移行したいものをセグメント化できます。
SRN
SRNは、特定のデバイスのエンゲージメントについて照会されると、モバイル測定パートナー(MMP)に応答します。2つのMMP、たとえばAppsFlyerと競合するアトリビューションベンダーが同じデバイスのインストールについて同じSRNにクエリを実行すると、重複して料金が発生する可能性があります。
SRNキャンペーンを移行する方法:
- AppsFlyer管理画面で、関連するSRNとの連携を有効に設定します。
注
- SRNでは、複数のMMPを同時に実行できます(Meta adsとTwitterを除く)。
- Meta Adsはアプリ内イベントの重複排除ができません。
SRN以外のアドネットワーク
アドネットワークの計測リンクは、ユーザーの広告接触を記録しており、広告とのエンゲージメントが結果的にインストールに至った場合の計測に使用されます。
非SRNアドネットワークキャンペーンを移行する方法:
- AppsFlyerにて、関連するアドネットワークとの連携設定を有効にします。
- 各アドネットワークのAppsFlyer計測リンクを生成します。
- 各キャンペーンの既存リンクをAppsFlyerの計測リンクに切り替えます。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、以下の媒体で使用される計測リンクを指します:
- コンテンツのシェア
- Web-to-app
- SMS
- ソーシャルメディアの投稿
- ブログ
- インターネットコミュニティ(Quoraなど)
- など、その他多数…
これらのキャンペーンでは、AppsFlyerはOneLinkカスタムリンクを使用します。OneLinkカスタムリンクは、ユーザーが使用するデバイスに基づいて、正しいアプリストア、インストール済みアプリ、またはWebページURL/ランディングページのいずれかにユーザーをリダイレクトします。
Adjustの計測リンクをAppsFlyer OneLinkリンクに変更するには:
- CSMにご連絡いただければ、現在お使いのチャネルやツールに応じて、オウンドメディアリンクをOneLinkリンクに変換するお手伝いをいたします。
SKAN
SKAdNetwork(SKAN)アトリビューションでは、1つのSDKのみがコンバージョン値を更新することができます。そうでないと、SKANのデータは意味をなさなくなってしまいます。そのため、移行後はAppsFlyer SDKのみがSKANコンバージョン値を更新するようにしてください。
データレポートの設定
レポート構造の適用とマッピング
移行前は、現在のベンダーのレポート構造、項目、パラメーターなどに従って計測データがシステムに保存されています。AppsFlyerが正しくデータをレポートするためには、現在のレポート構造をAppsFlyerのレポート構造、項目、パラメーターに適応、マッピングする必要があります。
レポート構造を適応/マッピングする方法:
- Adjust、Branch/Tune、KochavaからAppsFlyerのレポート構造に、素早く適用/移行するためのサポートについて、担当のカスタマーサクセスマネジャーへお問い合わせください。